研究課題/領域番号 |
16K08936
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
大沼 裕 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (00294794)
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研究分担者 |
高田 康徳 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (20432792)
大澤 春彦 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90294800)
川村 良一 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (90533092)
橋田 誠一 徳島文理大学, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (10156268)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | HLA / GAD抗体 / 高感度ELISA |
研究実績の概要 |
本年度は、高感度GAD抗体の測定ならびに、HLA Class IおよびClass IIの主要遺伝子座(A, B, C, DR、DQ, DP)各座の遺伝子型の解析を進めた。GAD抗体については、超高感度ELISA法によりこれまで測定が不可能であったタイターの低いGAD抗体を測定した。並行して、これまでに収集したサンプルに対する臨床情報(発症年齢、性、BMI、過去最大BMIなど)の収集を行い、それらのデータベースの構築を進めた。 高感度GAD抗体の測定に関しては、糖尿病及び対照コントロールを合わせて約1000サンプルのアッセイを行い、これらの高感度GAD抗体の測定を行った。まず、最初に、血清サンプルのGAD抗体をICT-EIA法にて測定した。GAD抗体濃度が0.6 U/mL以上のものを擬陽性、1.0 U/mL以上を陽性とした。擬陽性のサンプルについては、抗原に相当するGADを加え抗原抗体反応を起こさせたのち、さらにGAD抗体をICT-EIA法にて測定した。同時に抗原なしの場合も測定し、阻害率を計算した。阻害率50%以上を示したものはGAD抗体陽性とした。これまでに測定した約1000サンプルにおけるGAD抗体の陽性率は約5.5%であった。 HLA ClassIおよびClassIIの6遺伝子座のタイピング、臨床情報の収集・データベース化についても引き続き進めた。 今後、HLA ClassIおよびClassIIのタイピング、インスリン分泌能(C-ペプチドの測定)の解析、自己免疫能(高感度GADの測定)、臨床情報のデータベース化を引き続き進め、本年度はこれらを統合した解析に持っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究は遅延している。高感度GAD抗体測定、臨床情報のデータベース化および、インスリン分泌能の評価を目的としたCペプチド測定が当初の計画通り進んでいない。対照のデータベース化は進んだが、患者の臨床情報の収集、データベース化が遅延している。Cペプチド測定に関しては、血清のサンプリングはほぼ完了しており、30年度の早い時期にassayへもっていく。
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今後の研究の推進方策 |
遅延の原因となっている、患者の臨床情報の収集、データベース化および血中Cペプチドの測定を急ぎ、HLA情報、インスリン分泌能、GAD抗体情報、患者臨床情報のデータセットを完成させ、なるべく早く解析作業を開始する。Cペプチド測定に関しては、血清のサンプリングはほぼ完了しており、今年度早期のassay開始が可能となっている。患者臨床情報の取得が順調に進まない場合には、計画よりは小規模の解析になるが、これまでに収集した情報で解析を始めることも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より研究が遅れており、インスリン分泌能を評価するC-ペプチドの測定が遅延している。主にその分の費用が剰余した。この剰余分は、30年度に行うC-ペプチド測定費に充てる。
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