研究課題/領域番号 |
16K08938
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松橋 美佳 東京大学, 医学部附属病院, 客員研究員 (00759384)
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研究分担者 |
岡崎 仁 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80261973)
池田 敏之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80322759)
正本 庸介 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30706974)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | HPA抗原 / 抗HPA抗体 / 遺伝子導入細胞 |
研究実績の概要 |
ヒト血小板特異抗原(human platelet antigen; HPA)に対する同種抗体は、新生児血小板減少症や血小板輸血時の副作用である血小板輸血不応の発症に関与し、時に脳内出血といった重篤な合併症をおこすため原因抗体の同定が必須である。本研究では、レトロウイルス発現系を用いて白血病細胞株にHPA抗原を強制発現することにより安定なHPA遺伝子導入細胞を作製し、それを用いて確実な抗HPA抗体検査法を確立することを目的とした。 ヒト正常血清との反応性から非特異反応の低いパネル細胞株K562(ヒト白血病細胞株)を親株として選択し、目的とするHPA遺伝子を導入した。抗原の発現について特異モノクローナル抗体を用いたflowcytometry法により確認し、臨床上、重要な意義を持つHPA-1、HPA-3、HPA-4、HPA-5、HPA-6、HPA-15、CD36遺伝子導入細胞を樹立することができた。樹立したHPA遺伝子導入細胞を用いて複数の抗HPA抗体検査法の条件設定について検討した。また、設定した最適条件下で、血小板及びHPA遺伝子導入細胞と血清との反応性について比較した結果、血小板を用いて検査した場合よりHPA遺伝子導入細胞を用いたときにほとんどの血清において高い反応性を示し、検査に十分なHPA-抗原が発現していることが示された。 本研究で樹立したHPA遺伝子導入細胞は、抗HPA抗体検出において検査法の有用なツールとなることが示された。
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