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2017 年度 実施状況報告書

血中micro-RNAを用いたNAFLDのスクリーニングマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K08946
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

寺平 良治  藤田保健衛生大学, 医療科学部, 名誉教授 (80087668)

研究分担者 大橋 鉱二  藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (60278281)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードマイクロRNA(miRNA) / スクリーニング検査法 / 非アルコール性脂肪肝(NAFLD)
研究実績の概要

非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の早期発見が望まれている。しかし、NAFLDを早期に検出できる簡易的なマーカーは無いのが現状で、検診で容易にできる新規検査法の開発が強く望まれている。申請者らは、これまで血清中のマイクロRNA(miRNA)の探索研究によりNAFLDにより血清miR-122が上昇し、血清miR-27aが減少することを同定している。本研究はこの2つの血清miRNAの比をとること(miR122/miR27a比)により NAFLDの新規スクリーニング検査法を確立し、実際の健康診断受診者を対象にその有用性を評価することを目的にしている。
我々は既に血清miRNAの抽出から定量までの技術は確立しており、血清miRNAの測定自体の問題はない。そこで、本測定を臨床検査への応用として確立するために、平成28年度は検体の安定性、検体の種類(血清、血漿)の影響について検討し、検体の安定性は確保されており、検体は血清、血漿とも使用可能であることが明らかとなった。そして平成29年度は、本測定法による血清mR122/miR27a比の測定が、新規バイオマーカーとして有用であるか否かについて検討を深めるために、一般住民を対象とした地域住民健康診断の血清を活用してmR122/miR27a比を測定した。
その結果、Control群と比較しNAFLD群では、血清miR-122値が1.50倍に上昇し(p<0.05)、血清miR-27a値は0.58倍に減少した(p<0.01)。この2つの血清miRNA値の比(miR-122/miR-27a)はNAFLD群において2.14倍を示した(p<0.01)。これらの結果から、血清miR-122/miR-27a比はNAFLDにおける新規バイオマーカーとなりうることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度は我々の測定法が臨床検査に応用できることを明らかにした。そこで本年度は、本測定法による血清mR122/miR27a比の測定が、新規バイオマーカーとして有用であるか否かについて検討を深めるために、一般住民を対象とした地域住民健康診断の血清を活用してmR122/miR27a比を測定することを予定し、ほぼその測定を終了することができた。よって、本研究の本年度の進捗状況はおおむね順調に進展しているものと考えている。

今後の研究の推進方策

今後は既に測定した血清mR122/miR27a比の結果と、その対象者の健診データをリンクさせたデータベースを構築し、NAFLDの病態(脂肪蓄積量、線維化など)とmR122/miR27a比の結果の関連を明らかにしたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

研究対象者数が当初の計画より減少したため、測定すべき対象者の検体(血清)数が減った。これに伴い、当該年度の測定のために要した薬品、実験用具に要する使用額が減少したため次年度使用額が生じた。次年度は今年度測定できなかった対象者検体を追加測定することから、今年度生じた次年度使用額をその研究に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 非アルコール性脂肪性肝疾患における新規バイオマーカーとしての血清miR-122/miR-27a比の検討2017

    • 著者名/発表者名
      山崎未来、山田宏哉、宗綱栄二、安藤嘉崇、石川浩章、寺平良治、大橋鉱二
    • 学会等名
      第57回日本臨床化学会年次学術集会、北海道大学、札幌市

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公開日: 2018-12-17  

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