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2018 年度 実績報告書

好酸球性気道炎症の治療ターゲットとしてのステロイド受容体の局在と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K08951
研究機関関西医科大学

研究代表者

小林 良樹  関西医科大学, 医学部, 講師 (10375298)

研究分担者 神田 晃  関西医科大学, 医学部, 講師 (70375244)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードステロイド受容体 / 好酸球 / 鼻ポリープ
研究実績の概要

平成28年度、29年度の結果を踏まえ、最終年度は同一患者における篩骨洞の部位別での評価を行った。前頭洞、前篩骨洞、後篩骨洞のポリープ上皮と鈎状突起粘膜上皮におけるステロイド受容体(GR)およびGR機能に関与するホスファターゼの発現を確認した。機能的GR(GRα)、ホスファターセPP2Aは、鈎状突起粘膜と比較して、ポリープ上皮では有意にそれらの発現が低下していた。部位別ポリープ間における差は明らかではなかったが、前篩骨洞ポリープで低い傾向にあった。また、同一患者間での鈎状突起粘膜上皮と前篩骨洞ポリープ上皮における自然免疫誘導サイトカイン(TSLP、IL-25、IL-33)の発現レベルは、明らかに前篩骨洞ポリープ上皮において増加していた。さらに、好酸球ケモカインであるCCL4、CCL5、CCL11、CCL26の発現レベルも同様に前篩骨洞ポリープ上皮において増加していた。これらの結果から同一患者内でも炎症局所ではさらにステロイド感受性が低下していて炎症性メディエーターの過剰産生の原因となっていることが示唆された。
気道上皮細胞(BEAS-2B)と好酸球を共培養させた系では、ホスファターゼPP2Aの発現低下とともにステロイド感受性が低下することが確認された。また、同じ系で、好酸球ケモカイン(前述)の増加を認めた。特に、CCL4の発現上昇が顕著であり、炎症局所における好酸球炎症のポジティブフィードバックに関与していることが示唆された。
一方で、プラスミドDNAを用いたPP2Aのノックインモデルでは、GRの核内移行能が上昇することから、PP2Aを含むホスファターゼの活性化が、気道炎症局所のステロイド抵抗性における治療ターゲットになる可能性がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Critical role of CCL4 in eosinophil recruitment into the airway2019

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi Yoshiki、Konno Yasunori、Kanda Akira、Yamada Yoshiyuki、Yasuba Hirotaka、Sakata Yoshiko、Fukuchi Mineyo、Tomoda Koichi、Iwai Hiroshi、Ueki Shigeharu
    • 雑誌名

      Clinical & Experimental Allergy

      巻: 未定 ページ: 未定

    • DOI

      10.1111/cea.13382

    • 査読あり
  • [雑誌論文] HFA-BDP Metered-Dose Inhaler Exhaled Through the Nose Improves Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis With Bronchial Asthma: A Blinded, Placebo-Controlled Study2018

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi Yoshiki、Yasuba Hirotaka、Asako Mikiya、Yamamoto Takahisa、Takano Hiroshi、Tomoda Koichi、Kanda Akira、Iwai Hiroshi
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 9 ページ: 2192

    • DOI

      10.3389/fimmu.2018.02192

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Airway Medicineの必要性とその実践2019

    • 著者名/発表者名
      小林良樹, 朝子幹也, 神田晃, 岩井大
    • 学会等名
      第68回日本アレルギー学会学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] コントロール不良ECRSに対するHFA-BDP経鼻呼出療法の追加治療効果の検証2018

    • 著者名/発表者名
      小林良樹, 朝子幹也, 山本高久, 神田晃, 友田幸一, 安場広高, 岩井大
    • 学会等名
      第67回日本アレルギー学会学術大会

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公開日: 2019-12-27  

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