研究課題/領域番号 |
16K08960
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
宮永 史子 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80378760)
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研究分担者 |
藤倉 純二 京都大学, 医学研究科, 助教 (70378743)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | メタボリック症候群 / 脂肪細胞 / 遺伝子 / 肥満 / iPS細胞 |
研究実績の概要 |
一般住民コホートと肥満症コホート集団において症例対照前向き研究を行い、肥満症・メタボリック症候群(MetS)の減量効果・治療抵抗性を規定する候補遺伝子を同定することにより、個々の遺伝素因に応じた食事・運動・薬物療法の選択(オーダーメイド医療)の確立を目指すことを目的としている。 1.申請者施設および協力施設における肥満症コホート集団を対象に各評価項目に関するデータベースの構築を行った。 2.肥満の遺伝素因(SNPs)の検索:(1)吹田コホート:吹田市一般住民より無作為抽出の1180例を対象に、同意取得者のDNAにて、肥満関連候補遺伝子をTaqMan法で網羅的に遺伝子型タイピングを実施した。男女別に5歳年齢階層別に分け、各層のBMIの第1四分位の和集合を対照群、第4四分位の和集合を症例群とし、SNPとの関連性の解析を行った(1次スクリーニング)。(2)肥満症コホート:申請者施設および協力施設における肥満症例(BMI≧25)と一般集団を対象に統計的に有意な遺伝子のSNPsについてタイピングを実施し比較検討を行った(2次スクリーニング)。 3.現在までの減量治療反応性との関連を検討:MetS/CVD関連ホルモンと各肥満関連SNPsの影響を、日本肥満学会肥満症治療ガイドラインに基づいた食事療法と運動療法による減量治療を施行し、スクリーニングにより有意な候補多型として抽出された遺伝子について減量反応性(体重低下度)との関連を検討している。さらに、減量治療・治療抵抗性に関与する分子マーカーと遺伝素因についても横断解析を施行している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肥満・MetSに関連する複数の候補遺伝子について、本症例対照研究の1次スクリーニングで抽出された遺伝子のSNPsについてタイピングを終了している。2次スクリーニングにおいて有意であったSNPsのうち、インスリン抵抗性とレプチン抵抗性との関連の示唆される遺伝子について、すでに肥満症集団を対象に、遺伝素因に関するデータベースの構築を行っている。肥満症例における減量治療反応性との関連検討も進行している。現在の進捗状況について協議の上、今後の方針について協議、提案を行っており、データ収集・管理システムの更なる改善にも、助言・協力を行い、解析の方針についても協議、作業できている。
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今後の研究の推進方策 |
1.減量治療反応性に対するMetS・心血管病関連ホルモンと各肥満関連SNPsの影響を、肥満症コホートにおいてデータベースの構築を完成させ、短期・長期的に減量効果・治療抵抗性に関与する分子生物指標と遺伝素因を明らかにする。2.PTP1B遺伝子のメチル化やレプチン受容体遺伝子多型の肥満・減量効果との関連解析を行う。3.PTP1BのMetS、炎症、動脈硬化、発癌に関わる影響をin vitroおよび動物レベルにおいて検討する。4.肥満症集団において同意取得者からiPS細胞を樹立する。さらに疾患iPS細胞ライブラリーの構築と解析を行う。 以上よりPTP1B遺伝子を含む肥満関連SNPsと既知のMetSやCVDリスク指標との関係も網羅的に解析を施行し、短期・長期的に減量効果・治療抵抗性に関与する生理活性物質と遺伝素因を明らかにすることにより、その部位を標的とした診断・治療・創薬などの臨床的応用を目指す。以上について、得られた結果を取りまとめて、成果の発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験準備のための試薬類およびiPS細胞の樹立に関連する培養試薬類の発注、納品を関連施設の実験室移動があり遅らせているため。
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次年度使用額の使用計画 |
申請者らはこれまで、肥満・糖尿病・メタボリック症候群の病態生理やその合併症・心血管リスクに関する研究を基礎的・臨床的に施行してきたため、本研究課題における研究計画の大部分は現所属の研究センター、関連施設および分担研究者の実験施設の現有設備で行うことが可能である。よって研究経費の大部分は、ヒト・マウスのホルモン測定のためのELISAキットや血液検査外注費、試薬類及び実験動物などの消耗品費に充てる。培養細胞実験におけるメディウムや分子生物学関連試薬代、遺伝子改変動物を含めた飼育費なども必要とする。
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