• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

原発性アルドステロン症の病態・予後予測因子としてのゲノム・エピゲノム因子の意義

研究課題

研究課題/領域番号 16K08962
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

吉本 貴宣  東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (80297457)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードアルドステロン / 副腎腫瘍
研究実績の概要

ホルモン産生副腎皮質腫瘍のうち原発性アルドステロン症(PA)、Cushing症候群(CS)は多様な心血管系・代謝系の合併症を生じ、またPAは高血圧の約10%、CSはサブクリニカルなものも含めると副腎偶発腫の約8.5%と頻度も高く、臨床的に重要である。本研究では、ホルモン産生副腎皮質腫瘍のなかでもアルドステロン産生腺腫(APA)とコルチゾール産生腺腫(CPA)に焦点を当て、手術で得られる腫瘍組織と隣接する副腎組織(AAG)のDNA(CpG)メチローム解析を行い、トランスクリプトーム解析および既知の遺伝子変異解析および臨床データとの統合によりDNAメチル化を介したエピゲノム因子がホルモン産生副腎皮質腫瘍の病態にどのように関連しているかを検討する。
今年はAPA37症例の腫瘍と付随組織における、既報のAPAドライバー遺伝子変異についての検討、また同DNA検体を用い、Infinium HumanMethylation450 BeadChip(イルミナ社)によるメチローム解析およびRNA-sequence(Hi-Sequence, イルミナ社)によるトランスクリプトーム解析を施行した。
自験APAの37症例の腫瘍由来DNAより各種体細胞遺伝子変異(KCNJ5:29、ATP1A1:2、ATP2B3:1、CACNA1D:1、CTNNB1:1、既知変異なし:3)であった。KCNJ5変異APAとその他のAPAの臨床像との関連の検討にて、KCNJ5変異APAは女性に多く、若年発症という従来の報告に加え、術前の降圧が容易、糸球体過剰濾過をきたす、術後の高血圧寛解率が高い、といった特徴を有することをBiochem Biophys Res Commun誌に発表した。トランスクリプトームおよびメチロームデータのバイオインフォマティクス解析については現在解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

進捗は順調と考える。

今後の研究の推進方策

現在、施行し他メチロームおよびトランスクリプトーム解析によって得られたデータのバイオインフォマティクス解析を実施中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of inflammation-related genes in aldosterone producing adenomas with KCNJ5 mutation2016

    • 著者名/発表者名
      Murakami M, Yoshimoto T, Nakano Y, Minami I, Bouchi R, Fujii Y, Nakabayashi K, Hashimoto K, Hata K, Kihara K, Ogawa Y.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 476 ページ: 614-619

    • DOI

      doi: 10.1016/j.bbrc.2016.06.007.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ゲノム・エピゲノム解析からみた原発性アルドステロン症(APA)の多様性2017

    • 著者名/発表者名
      吉本貴宣、村上正憲、中野雄二郎、小川佳宏
    • 学会等名
      第90回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      京都市勧業館みやこめっせ
    • 年月日
      2017-04-20 – 2017-04-22

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi