ホルモン産生副腎皮質腫瘍のうち原発性アルドステロン症(PA)、Cushing 症候群(CS)は多様な心血管系・代謝系の合併症を生じ、またPA は高血圧の約10%、CS はサブクリニカルなものも含めると副腎偶発腫の約8.5%と頻度も高く、臨床的に重要である。本研究により本邦のアルドステロン産生腺腫の7割を占めるKCNJ5変異陽性腫瘍は腫瘍全ゲノムの低メチル化とそれに関連した特異な遺伝子発現を示したことから、DNAメチル化異常といった後天的エピゲノム要因が本腫瘍の発生に関与することが示唆され、内分泌腫瘍の発症メカニズムの一端が示された。
|