本研究で開発するシステムは悪性神経膠腫の存在診断および質的診断の術中支援を、これまでにない迅速性と判定精度で遂行可能とするものであり、手術時間の短縮や切除領域の正確な判断により患者の予後改善に寄与することができる。検証の結果、腫瘍の検出に加えてグレード判別も可能であることが確認でき、これによって例えば腫瘍のグレード4で保険が適用される脳内留置用徐放性製剤を用いるか否かの術中判断にも利用できる。また、ここで構築されたデータは膠芽腫の代謝マップそのものであるため、腫瘍特異的な代謝経路の阻害をターゲットにした、新規抗がん剤の開発に応用できることも意義の一つである。
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