研究課題
1.甲状腺癌細胞におけるNkx2-1強制発現によるarginase遺伝子発現誘導効果の解析ヒト甲状腺癌培養細胞であるBHP18-21v細胞にアデノウイルスベクターにより転写因子Nkx2-1遺伝子を導入し,強制発現させた結果,arginase(ARG)2遺伝子の発現が最大178倍に増加するのが確認された。その誘導効果は時間依存性であり,遺伝子導入後96時間で最大となった。一方ARG1遺伝子の発現誘導は認められず,ARG2遺伝子特異的な効果であることが確認された。2.発現誘導されたARG2の甲状腺癌細胞における機能解析Nkx2-1遺伝子導入によりBHP18-21v細胞はアデノウイルスベクターの濃度依存的に細胞死誘導が認められ,アデノウイルス感染後5日後にはほぼすべての細胞の死滅が観察された。この細胞死誘導効果におけるARG2遺伝子発現の効果を検討するため,ARG2発現アデノウイルスベクターの構築を試みたが,ARG2遺伝子の細胞毒性からか,アデノウイルスベクターの構築は困難であった。そこで,ARG2遺伝子に対するsiRNAおよびshRNAの効果を検討するため,RNA導入方法の基礎検討を現在検討中である。
3: やや遅れている
ARG2発現アデノウイルスベクターの構築がARG2遺伝子の細胞毒性により困難であったため。
甲状腺癌細胞におけるARG2遺伝子の機能解析のため,ARG2遺伝子に対するsiRNAおよびshort hairpin RNAを導入し,ARG2遺伝子の発現抑制による機能解析を試みる。また,in vivoの実験に対してはアデノウイルスベクターにARG2遺伝子shRNA発現カセットを挿入し,実験を遂行する方針である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件)
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