研究課題
大腸癌の検出感度の向上に取り組み,新規開発の血中循環腫瘍細胞(CTC)捕捉・計測デバイスであるCTCチップの大腸癌に対する臨床応用を目標として研究を進めている.本研究ではH28年度までに新規規開発されたCTCチップを用いた大腸癌株細胞の捕捉実験結果から,本システムが血球大腸癌細胞を高い率で捕捉可能なことを確認した.さらに大腸がん患者におけるCTC捕捉に有効であることを検証するための評価試験を行った.その結果,大腸癌患者採血から高い率でCTCを検出することができた.CTCの測定は既存のマーカーより有意に高いがん判定効果をもつことが明らかになった.以上,大腸癌における高感度なCTC検出システムの構築ができたと考えられる.本研究の結果は,大腸癌においても抗がん剤治療効果判定因子としてCTCが有効であることを示唆しており,臨床応用につながる重要な知見といえる.
2: おおむね順調に進展している
本研究の結果,大腸癌においても新規開発のCTCチップによるCTC検出システムは有効な方法であり,抗がん剤治療の効果判定因子としてCTCを用いることができることが明らかになった.すなわち大腸癌におけるCTC検出システムは整い,研究の基盤は構築できた.このシステムを用いて,大腸癌患者の治療前後の採血を用い,EpCAM抗体を固定したCTCチップを用いてCTC数を測定するなど,研究は順調に進んでいる.
病理組織像,転移の状況,Stage分類,予後などの臨床情報とCTC数の関連性について評価する.さらに検出力の向上を目指しCTCの捕捉に用いるanti-EpCAM以外の抗体の検討を行なっていきたい.
今年度はサンプルの超低温保存のためフリーザーを購入した.しかし研究計画の実施が前後したこと,また,一部提携先の既存機器にて行うことが可能であったことなどから、予定していた一部の機器・試薬類のうち、購入を先送りしたものがある.またデーター解析について、今年度はアルバイトを雇用することなく、研究代表者・分担者にて進めたため、人件費が発生しなかったことなどから、次年度使用額が生じた。
データーが蓄積し解析のために人員を要することなどから,アルバイトの雇用が必要である.また現存の試薬・器具では不足が生じており,次年度には新たに実験資材をを購入する予定である.このほか,受託分析などに使用の予定である.本研究で得られた研究成果を公表するとともに,関連研究における最新情報を取得するため、学会出席を予定しており出張旅費が必要である.
すべて 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Juntendo Medical Journal
巻: 63(2) ページ: 1-7
10.14789/jmj.63.
Oncology Reports, 37(1), 77-82.
巻: 37(1) ページ: 77-82
10.3892/or.2016.5235
Oncology Letters
巻: 12 ページ: 4773-4778
10.3892/ol.2016.5271
巻: 62(6) ページ: 643-471
10.14789/jmj.62.463
日外科系連会誌
巻: 41(1) ページ: 1-7
10.4030/jjcs.41.1
Molecular and clinical oncology
巻: 4(4) ページ: 599-602
10.3892/mco.2016.734
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/daicho/