研究課題
がん治療における課題は、転移・再発への対応であり、がん患者における転移の有無やその性状の把握は予後評価や治療方法を検討する上で重要な情報となっている。すなわち大腸癌の検出感度の向上に取り組むことが治療成績向上のために重要である。本研究は、新規開発の血中循環腫瘍細胞(CTC)捕捉・計測デバイスであるCTCチップの大腸癌に対する臨床応用を目標とした。新規開発されたCTCチップを用い、大腸癌株細胞の懸濁液をモデル血中循環腫瘍細胞を用い、その捕捉効率を測定したところ、PBS懸濁液で90%、血液懸濁液で65%であり、本システムの大腸癌細胞捕捉効率が高いことが確認された。次に大腸がん患者採血での本システムの有効性を検証する試験を行った。StageIIからIVの13症例のうち12症例(92%)からCTCが検出され陽性と診断された。これは既存癌マーカCA19-9による検出率(15%)よりも高かった。一方健常の採血検体からはCTCは検出されなかった。またStageIIの患者においてCEAの値が基準値以下の3症例を含め6症例全てにおいてCTCが陽性であったことから、既存マーカーによる診断が難しい比較的早期の大腸癌検出に有望である可能性が示唆された。またStageII-IIIの患者採血中の平均CTC濃度(3.3±2.3/ml)は、StageIV患者採血の濃度(7.0±6.2)に比して有意に低く、病態進行推定の可能性も示された。以上、本システムを用いたCTC解析は臨床採血検体において高い検出力をもち、大腸癌の診断に有望であることが示された。大腸癌においても抗がん剤治療効果判定因子としてCTCが 有効であることを示唆され、臨床応用につながる重要な知見といえる。
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