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2016 年度 実施状況報告書

慢性腎臓病の合併症進展機構に関わるエピゲノム異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K08975
研究機関昭和大学

研究代表者

本田 浩一  昭和大学, 医学部, 准教授 (70297000)

研究分担者 小林 靖奈  新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (20276611)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードDNAメチル化 / 後天的遺伝子変性 / 慢性腎臓病
研究実績の概要

慢性腎臓病(CKD)患者は高頻度に心血管病や栄養障害などの合併症を発症し、また、合併症の進行が速く、重篤になり易い。最近、DNAの後天的変性が糖尿病や動脈硬化などの疾患の発症と関係することが報告されている。一方、CKDに特徴的な病態は酸化ストレスが亢進し、DNA変性が生じやすい環境にある。本研究はCKDが原因となるDNAの後天的変性に着目し、基礎的および分子疫学的に病態解析を行うことを目的としている。合併症の発症・進展抑制、腎障害の進展抑制は、CKD患者の予後を向上させるとともに、医療費の削減にもつながるため、重要な研究課題と考えられる。
研究の方法は臨床研究(保存期および透析期CKD患者を対象とした分子疫学研究)および基礎研究(細胞培養系によるCKD環境下での標的遺伝子群のエピゲノム異常解析研究)から構成され、CKDのDNA変性の特徴、臨床像やアウトカムとの関係について検討する。
平成28年度は対象遺伝子の後天的変性の解析を中心とした、分子疫学研究の実施を計画した。当初の計画では保存期CKD患者(n=60)、血液透析患者(n=160)、腹膜透析患者(n=30)からDNAの抽出、血清の保管を行い、DNAメチル化解析
は抗加齢因子(Klotho、Sirt1)、DNAメチル化関連因子(DNMT1)の各遺伝子をPCRで増幅し、プロモーター領域のDNAメチル化を解析する予定であった。
平成28年度は文書で同意を得た血液透析患者140名から白血球を採取し、DNAの抽出を行なった。DNAの後天的変性はKlotho遺伝子のプロモーター領域のメチル化解析を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

血液透析患者のDNA抽出は概ね計画通りに実施できたが、保存期CKA患者のDNAサンプルの集積が遅れている。また、対象の標的遺伝子のメチル化解析は、DNA処理量を最小にするための当初の解析方法を変更したため、当初の予定のよりも解析数が遅れている。

今後の研究の推進方策

次年度は、血液透析患者並びに腎機能正常コントロールの標的遺伝子のメチル化解析を進める。また、保存血清から対象となる血清タンパクの測定を進め、DNA変性と血清タンパク量との関係を確認する。
また、保存期CKD患者のリクルートを増やし、効率的にDNAを抽出するために全血凍結保存からのDNA抽出を実施する。保存期CKD患者の標的遺伝子のメチル化解析は血液透析患者の結果を参考とし、変性部位のターゲットを絞った解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

3月に納品、使用となり、3月度支払期限には間に合わず次年度の支払となったため。

次年度使用額の使用計画

納品済みであり、次年度の支払で処理される予定である。既に伝票等は提出済みです。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] N-Terminal Pro-B-Type Natriuretic Peptide as a Biomarker for Loss of Muscle Mass in Prevalent Hemodialysis Patients.2016

    • 著者名/発表者名
      Ikeda M, Honda H, Takahashi K, Shishido K, Shibata T.
    • 雑誌名

      PLoS One.

      巻: 11 ページ: e0166804

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0166804

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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