研究課題/領域番号 |
16K08979
|
研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
曽川 一幸 麻布大学, 生命・環境科学部, 講師 (50436440)
|
研究分担者 |
谷口 俊文 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20724826)
佐藤 守 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20401002)
石毛 崇之 千葉大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (30757315)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 臨床微生物学 / 質量分析計 / 病原微生物同定 |
研究実績の概要 |
細菌感染症の原因菌を確実かつ迅速に同定することは早期に有効な治療を開始するために必須である。従来、コロニーからの細菌同定には形態学的・生化学的手法が用いられてきたが、長時間を要し(平均24時間)、操作が煩雑で熟練を要するなどの難点があった。最近、質量分析計(MALDI-TOF MS)による細菌の種レベルの同定に有用であり、病院検査室に導入されている。本法は1菌種約5分ときわめて短時間に正確な同定結果が得られる。本法で同定率の低いグラム陽性菌に注目して、血液培養陽性ボトルの迅速同定、尿検体からの直接同定、肝胆膵領域術後患者のドレーン排液からの直接同定を構築し、臨床応用を目的とする。 平成28年度は尿検体から直接細菌のタンパク質を抽出する方法の最低検出感度、安定性、再現性を確認した。その後臨床検体を使用して従来法及び16S rRNA解析との相関を確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細菌感染症の原因菌を確実かつ迅速に同定することは早期に有効な治療を開始するために必須である。従来、コロニーからの細菌同定には形態学的・生化学的手法が用いられてきたが、長時間を要し(平均24時間)、操作が煩雑で熟練を要するなどの難点があった。最近、質量分析計(MALDI-TOF MS)による細菌の種レベルの同定に有用であり、病院検査室に導入されている。本法は1菌種約5分ときわめて短時間に正確な同定結果が得られる。本法で同定率の低いグラム陽性菌に注目して、血液培養陽性ボトルの迅速同定、尿検体からの直接同定、肝胆膵領域術後患者のドレーン排液からの直接同定を構築し、臨床応用を目的とする。 平成28年度は尿検体から直接細菌のタンパク質を抽出する方法の最低検出感度、安定性、再現性を確認し、その後臨床検体を使用して従来法及び16S rRNA解析との相関を確認した。計画が順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度の達成度はおおむね順調であった。平成28年度は尿検体から直接細菌のタンパク質を抽出する方法の最低検出感度、安定性、再現性を確認し、その後臨床検体を使用して従来法及び16S rRNA解析との相関を確認した。平成29年度は血液培養グラム陽性菌陽性ボトルから直接細菌のタンパク質を抽出する方法の最低検出感度、安定性、再現性を確認する。その後臨床検体を使用して従来法及び16S rRNA解析との相関を確認する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
細菌のタンパク質抽出に使用するrapid BACpro(ニット―ボーメディカル株式会社)とポリマー樹脂の購入に時間がかかり、次年度の購入になったため、255,497円を繰り越した。
|
次年度使用額の使用計画 |
rapid BACpro(ニット―ボーメディカル株式会社)とポリマー樹脂の購入。
|