研究実績の概要 |
エピゲノム制御に関わる疾患アンチセンスRNAを同定し、そのRNA定量検査法を開発するため、本年度は昨年度に引き続きRNA immunoprecipitation (RIP)を行う方針とし、 HMGB2を認識する複数の抗体を用いた免疫沈降の条件でRNAの収量を得ることができる条件を見出したが、RNAの質が不十分であったため、RNA seq解析にいたらなかった。今後、RNAの質を上げるための条件検討を行う予定である。 これと並行して、測定系の開発のため国産プローブを用いて5種類の白血病キメラ遺伝子を定量PCR法で測定したところ、既存の米国のTaqManプローブと同等の感度と特異度を得ることができた。この結果は、次の論文で発表した。Tsuchiya K, Tabe Y, Ai T, Ohkawa T, Usui K, Yuri M, Misawa S, Morishita S, Takaku T, Kakimoto A, Yang H, Matsushita H, Hanami T, Yamanaka Y, Okuzawa A, Horii T, Hayashizaki Y, Ohsaka A. Eprobe mediated RT-qPCR for the detection of leukemia-associated fusion genes. PLoS One. 2018 Oct 3;13(10):e0202429.これは、国産技術を用いた研究開発結果であり、日本における遺伝子関連検査の向上に寄与すると期待できる。また、米国の学会に参加し、米国における検査医学の動向に関する情報を得て、この国産技術を用いたRNA定量検査法を国際的に展開することを視野に入れた。
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