研究課題/領域番号 |
16K08992
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
中山 留美 (直野留美) 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (00609034)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 痒み / 脊髄 / 神経伝達物質 / 受容体 |
研究実績の概要 |
これまでの研究より、オーファン受容体GPR83が脊髄における痒みの伝達に寄与する受容体であることを示唆する結果を得ている。しかしながら、これまでの研究からは、あらゆる痒みの伝達に1つの受容体がその役割を担っているという結論を出すには想定できない結果を得てきている。というのは、痒みは、痛みと類似する体性感覚であるが、痛みにも程度や種類があるように、虫刺されといった一過性の痒みだけでなく、アトピー性皮膚炎や乾燥性皮膚炎による全身性の痒みといった、痒みは多岐にわたる体性感覚の疾患であることに起因する。したがって、あらゆる痒みの病態において、オーファン受容体GPR83がどのような役割を果たしているのか、そして、多様な痒み疾患に対する受容体の寄与があるか否かを明らかにすることが必要である。 さらに、これらのことは、脊髄に発現する他の痒み伝達に関与する分子との機能的関連性について、ほとんど、あきらかにされていない。というのは、痒み伝達分子の脊髄における発現量が、痛み伝達分子と比べて少ないと推測されているためである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は所属機関の研究施設が新規に開設されたため、実験を行うための環境整備や、実験を行うための多くの手続き等に時間を要したため、当初の計画通りには研究を継続できなかった。そのため、計画に遅れが生じている。さらに、前任校で行っていた実験の再実験を行い、データの再現性を確認したため、これらの工程に時間を要している。 従って、次年度に研究を継続させることで、研究報告を行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今年度の計画の内容を実施するだけでなく、研究結果を論文等で報告する。 また、具体的には、痒み受容体の中枢神経系における発現様式を明らかにすることで、痛みと痒みの伝達の違いを明確にしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年4月に現在所属する大学へ異動し、さらに、2018年1月に実験室を含む研究棟が完成するまでの間、申請時に計画していた研究が予定通りに実施できなかった。そのため、研究に遅れが生じている。 そこで、研究期間を延長することで、計画通りに実験を実施する。さらに、前任校で実施した実験の追加実験と、データの再現性を確認したうえで、論文投稿を行うことを予定している。
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