研究課題/領域番号 |
16K08997
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40053144)
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研究分担者 |
冨永 光俊 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50468592)
鎌田 弥生 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤助教 (00410035)
梅原 芳恵 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (40707072)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | サテライトグリア / 難治性かゆみ / アトピー性皮膚炎 / 後根神経節 |
研究実績の概要 |
本年度は、アトピー性皮膚炎(AD)のDRGにおいてかゆみに関与する新規分子を発見することを目的とした。AD様病態を誘発しないNC/Ngaマウス(Controlマウス)と比較し、AD様病態を発症させたNC/Ngaマウス(AD-NC/Nga)のDRGではかゆみ関連受容体(IL-31RA及びNK1R)及びsatellite glial cell (SGC)マーカー(GFAP)遺伝子の発現量が増加することを見出した。また、Control及びADマウスのDRGから抽出したタンパク質溶液をサイトカインアレイに供した結果、リポカリン2(LCN2)の増加が認められた。免疫組織学化学法によりDRGにおけるLCN2の発現部位を検討した結果、SGCに特異的に発現することが明らかとなった。また、ControlマウスのSGCと比較して、ADマウスのSGCではLCN2陽性SGCの割合が有意に増加した。さらに、ADマウスのDRG細胞において、LCN2の受容体の一つである24p3Rの発現が認められた。近年、LCN2は脊髄レベルでADのかゆみの増強に関与することが報告されていることから、SGC由来のLCN2もADにおけるかゆみの増強に関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、AD-NC/NgaマウスのDRGで発現増加するかゆみ関連分子LCN2の同定とその発現細胞であるSGCを特定した。このことから、本年度は当初の計画通りに、おおむね順調に研究が進展したと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在、培養DRG細胞にLCN2を添加することで、DRGにおけるかゆみ関連受容体の発現変動を検討中である。今後は、髄腔内LCN2投与マウスを用いて、かゆみ行動やその過敏性に対するLCN2の影響について検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額が14円では本研究に使用する物品を購入できないため。
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次年度使用額の使用計画 |
残額は平成29年度経費とともに物品費として使用する。
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