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2016 年度 実施状況報告書

神経因性疼痛における新規Kチャネルとセロトニンの役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K09004
研究機関兵庫医療大学

研究代表者

山本 悟史  兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (60220464)

研究分担者 田中 康一  兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (30274848)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード神経障害性疼痛 / 脊髄後根神経節 / K+チャネル / 熱 / セロトニン / セロトニン受容体
研究実績の概要

目的:神経障害性疼痛に関与する物質として,ノルアドレナリン(NA),ATP,セロトニンなどが挙げられている.また「末梢神経障害が交感神経節後細胞の発芽を誘起し,その軸索が脊髄後根神経節神経細胞(DRG神経細胞)に到達している」という報告があり,我々は,交感神経から放出されるNAが新規Kチャネル(Kheatチャネル)を抑制することを報告している.本研究では,NAと同様に「セロトニンがKheatチャネルを抑制すれば疼痛発生の要因となる」と仮説を立て,その可能性について検討する.本年度は,「Kheatチャネルに対するセロトニンの作用」について検証する.
方法:パッチクランプ法を使用してDRG神経細胞から膜電流記録を行い:1.熱刺激によって誘起されたKheatチャネル電流(IKheat)を測定する.2.IKheatに対するセロトニンの作用を測定する.3.セロトニンによるKheatチャネル温度依存性の変化を測定する.
結果:上記方法で得られた結果は次の通り:1.DRG神経細胞に熱刺激を加えると,3種類の電流(IKheatのみを発生する細胞,ITRPV1のみを発生する細胞,IKheat + TRPV1を発生する細胞)が記録できた.このうちIKheat + TRPV1を発生する細胞の数が最も多かった.2.IKheatのみを発生する細胞を対象にセロトニンの作用を検証したが,現在までのところ,明らかな結果は得られていない.3.については未実施.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

熱刺激によって誘起されるKheatチャネル電流(IKheat)を調べるためには,熱刺激によって同時に誘起されるTRPV1受容体電流(ITRPV1)を除外した条件で実験を実施する必要がある.IKheat + ITRPV1を発生する細胞が最も数が多く,IKheatのみを発生する細胞が少ないことから予想した以上に時間がかかっている.

今後の研究の推進方策

研究計画が当初の予定よりも遅れているため,先ず,平成28年度に実施予定であった研究目的を遂行し,その上で平成29年度に実施予定の研究を行う.

次年度使用額が生じた理由

本研究を遂行するためには,研究計画調書において申請した,1)データ取得装置,2)データ取得解析用ソフトウエア,が必要である.平成28年度に交付された助成金では両者の購入額に届かず,2)のみの購入に留めたため次年度使用額が生じた.

次年度使用額の使用計画

次年度使用額と平成29年度の助成金を合算し,1)を購入することを計画している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Partial Activation and Inhibition of TRPV1 Channels by Evodiamine and Rutaecarpine, Two Major Components of the Fruits of Evodia rutaecarpa.2016

    • 著者名/発表者名
      Wang S, Yamamoto S, Kogure Y, Zhang W, Noguchi K, Dai Y
    • 雑誌名

      J Nat Prod

      巻: 79 ページ: 1225-1230

    • DOI

      10.1021/acs.jnatprod.5b00599

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Elevated H2 O2 levels in trinitrobenzene sulfate-induced colitis rats contributes to visceral hyperalgesia through interaction with the transient receptor potential ankyrin 1 cation channel.2016

    • 著者名/発表者名
      Kogure Y, Wang S, Tanaka K, Hao Y, Yamamoto S, Nishiyama N, Noguchi K, Dai Y
    • 雑誌名

      J Gastroenterol Hepatol

      巻: 31 ページ: 1147-1153

    • DOI

      10.1111/jgh.13226

    • 査読あり

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公開日: 2018-01-16  

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