研究課題/領域番号 |
16K09012
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
李 鎔範 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10334658)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 乳児 / 超音波検査 / 股関節 / 脱臼 / 形成不全 / 画像診断支援 / 画像処理 / パターン認識 |
研究実績の概要 |
本研究は,先天性股関節脱臼などの乳児の股関節異常の早期発見・早期治療のために,乳児股関節検診で撮影される超音波画像を定量的に解析しその解析結果を診断の参考情報として活用する乳児股関節検診用コンピュータ支援診断システムの構築を目指すものである.今年度は,研究体制の調整,画像データの収集,画像解析・分析方法を方向づけるための基礎調査を実施した.研究体制については,日常業務で乳児の超音波検診に携わっている医師および超音波検査士から研究協力を得られる体制を整えた.画像データの収集及び実験実施に当たり,当該施設の倫理委員会の承認を得た.画像データの収集は既に開始しており,約50例を取得済みである.また,実験に必要なハードウェアおよびソフトウェアを整備した.そして,収集した画像データを用いて予備実験を行い,次のことを明らかにした. 1.乳児股関節の超音波画像から求められるテクスチャ特徴量によって股関節の状態をある程度判別できる可能性があること. 2.Convolutional neural networkを用いた乳児股関節超音波画像の深層学習が股関節の状態を学習・識別することに対して潜在的な有用性を有していること. これら予備実験の成果は国内の学会・研究会にて報告した.こうした基礎調査に基づいて診断支援システムに必要な主要な画像処理・解析手法をさらに精査・改善することで,よりパフォーマンスの高い診断支援アルゴリズムの構築が可能であると考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の研究実施計画であげた以下4項目についておおむね順調に進展している. 1.研究体制:乳児股関節検診に携わっている医師,超音波検査士から研究協力を得る体制を整えた 2.画像取集:実際に股関節検診を受診した乳児の超音波画像の収集を開始し,約50例を取得した 3.実験機器:深層学習を実施可能なハードウェアや必要なソフトウェアを構築できる環境を整えた 4.実験方法:予備実験により本課題に対してテクスチャ特徴や深層学習が有用である可能性を確認した
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の研究計画・方法: 1.予備実験の成果を論文として公表する 2.画像データの収集を引き続き実施する.合計で100症例以上の収集を目標とする. 3.基礎調査に基づいて,診断支援システムに必要な主要な画像処理・解析手法を精査・改善しパフォーマンスの高いアルゴリズムを構築する
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