研究課題/領域番号 |
16K09024
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
押淵 英弘 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90568073)
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研究分担者 |
阿部 香代子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00318049)
中島 振一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (60383866)
稲田 健 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90365164)
河野 仁彦 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00646747) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 1H-MRS / グルタミン酸 / GABA / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
本研究は、統合失調症患者と健常者を対象とし、1H-MRSを用いて前帯状回皮質 (Anterior C ingulate Cortex: ACC) のグルタミン酸濃度、GABA濃度、他の代謝体を測定・比較することが目的である。初年度はデータの安定 性を確認する予備研究を行い、一定の結果を得た。本年度は、撮像条件の最適化を進めた。実験装置(Philips Ingenia 3T)を用いた予備実験を進めた。条件として、ACCについて昨年度同様正中矢状断面にてAC-PC線に垂直に、脳梁膝部の最前部から上方に20 mm x 20 mm x 20mm 大のROIのボクセルを設置することが最適であることを再確認した。さらに、昨年度の課題となった撮像データの解析のためのデータ取り出しと移動についての技術的課題について対応し解決した。MR機からのrawデータ取り出しから解析ソフト(LCModel)へのデータ移送における技術的課題と、移送時の倫理的配慮についての施設内でのコンセンサスについての課題であった。また、他施設におけるMEGAPRESSを用いた脳内GABA定量化の可能性について検討を行った。研究分担者は国際統合失調症学会へ参加した。過去のPET研究における発見として、「高齢統合失調症における抗精神病薬維持治療に必要なドパミン受容体受容体占拠率が45%から60%と成人患者より約20%低く、統合失調症の維持治療期において、急性期に必要であった抗精神病薬の減量により認知機能障害の改善が認められる」ことについて報告した。当該学会では、統合失調症の多階層による検査系を用いた研究手法について学び、当該研究者との意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は、研究代表者が主研究施設から一時的な異動を余儀なくされたため、研究全体へのエフォートが著しく減じた。撮像環境と結果の安定性、最適化に注意を払っているが、安定しておらず時間を要している。データ取り出しと移動の技術的課題はクリアしたが、そのためにも時間を要した。今後、安定したデータ取得を目的として他施設での撮像も考慮しており、その構築への時間配分も行った。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、撮像施設の移動も考慮しつつ、研究分担者と密に連絡し、研究を円滑に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
技術的課題の解決が主となり、実際の患者データ取得や解析などに至らず、支出を要しなかったため。平成30年度以降は、患者データ取得を進めていく予定である。
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