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2018 年度 実施状況報告書

GABA機能障害仮説に基く1H-MRSによる初発統合失調症の定量的診断の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K09024
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

押淵 英弘  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90568073)

研究分担者 阿部 香代子  東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (00318049)
中島 振一郎  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60383866)
稲田 健  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90365164)
河野 仁彦  東京女子医科大学, 医学部, 研究生 (00646747) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード統合失調症 / GABA / MRS
研究実績の概要

当該年度においては、まず、磁気共鳴スペクトロスコピー(以下、1H-MRS)による脳代謝物質の測定の精度(quality control)を多様なパラメーターを用いて安定化させた。次に、ボクセル内の構造を脳脊髄と灰白質、白質に分割化し、関心領域の脳脊髄比を算出することを可能にした。この脳脊髄液比を用いて代謝物質の濃度を調整することで、脳実質内の代謝物質を測定することが可能となった。以上の測定における技術の工夫によって、安定的な撮影環境が強固となり、撮影から解析までのパイプラインが一通り整えたと考える。予備データのクオリティチェックを行い、本格的なリクルートを開始することにした。論文としては、未治療の統合失調症患者において脳内では有意なグルタミン酸濃度の異常が認められないこと(Iwata, Nakajima, et al. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2018)、慢性期の統合失調症患者において脳内ではグルタミン酸濃度に異常を認めないこと(Plitman, Nakajima, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2018)、治療抵抗性の統合失調症においては脳内ではグルタミン酸が増加していること(Iwata, Nakajima, et al. Biol Psychiatry. 2018)、統合失調症において中枢・末梢のグルタチオンが減少していること(Tsugawa, Nakajima, et al. J Psychopharmacol. 2019)を発表した。以上の研究結果は統合失調症患者の病態の多様性を示唆し、本研究の目的である統合失調症患者の脳内GABA濃度を測定することの意義を支持すると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2017年度に主研究者の異動が生じ研究施設におけるエフォートが一時的に減じた。2018年度は、研究のデータ取得施設を変更した。また、安定的な撮影環境を構築するために、「研究実施状況」で記載した、様々な工夫を達成するために想定以上の時間を要した。

今後の研究の推進方策

2018年度に安定的な撮影環境が強固となり、撮影から解析までのパイプラインが一通り整えられたと考えられるため、今後は、予備データのクオリティチェックを行い、本格的なリクルートを開始する。

次年度使用額が生じた理由

2018年度は主に研究環境の構築を行い、研究費を使用する主体であるデータ解析と人件費、謝金の支払いが不要であったため。2019年度から被験者エントリーと撮像、データ解析により研究費を使用する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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