タングステン含有機能紙は放射線遮蔽能力と紙の特徴を併せ持ち、人体に毒性もない。医学分野への新たな遮蔽材の適応拡大、新たな防護体系の確立を目指した。主な成果は(1)前立腺癌の小線源永久刺入治療において、患者の介護者、家族への被ばく低減を目的とした防護プロテクタを作製、(2)IVR時の患者からの散乱線を遮蔽し、術者被ばくを低減を可能とした、(3)皮膚上にタングステン機能紙で作ったGRIDコリメータを設置し、簡便に格子状の電子線治療の線量分布を実現した、(4)乳がん術中電子線照射での胸壁保護遮蔽材として使用し、より侵襲の少ない術中照射を可能とした等が挙げられる。
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