研究課題
本研究は、脳血管撮影検査や血管内手術で患者さんが受ける被ばく防護の最適化と低減を目的としている。IVRの診断参考レベルはH27年医療被ばく研究情報ネットワーク(通称J-RIME)よりIVR基準点での透視線量率20mGy/minと公表された。この値はナショナルデータとして世界に発信されることとなったが、頭部領域の実質的治療団体である日本脳神経血管内治療学会(JSNET)では、この値に臨床的要素が全く加味されていないことから、対処するためJSNET内にH27年12月に放射線防護委員会を設置した。H28年にはJSNETと日本放射線技術学会(JSRT)の共同研究として、IVR基準点における積算線量値と面積線量値の疾患別、手技別線量情報の収集と活用を目指したプロジェクトを発足させた。また、術者水晶体被ばく線量測定に関しては、データ収集を終了し、その解析と論文化を行った。頭部IVR患者の被ばく線量マッピングの技術に関しては、RADIREC(ラジレック:登録商標)のさらなる改良が進み、ガラス線量計リーダーから出力される読み取り線量ファイルをWeb-systemに簡単にdrag & dropするだけで2D-mappingとDICOMへの直接変換する機能が完成し、頭部/胸部用測定装具とともに市販化へと進めた。H30年度には、このRADIRECを用いた全国多施設での被ばく線量測定データの測定、収集と解析をすすめた。データが膨大であり、作業は継続中である。まとまり次第、学会発表と論文作成を計画している。被ばくに関する啓蒙活動も行い、今後もIVRによる医療被ばく防護の最適化と低減に貢献したい。
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