研究課題/領域番号 |
16K09038
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
川口 龍二 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50382289)
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研究分担者 |
伊東 史学 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20553241)
春田 祥治 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (30448766)
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 深部静脈血栓症 / 肺血栓塞栓症 / 静脈血栓塞栓症 / 血栓予防 / 周術期 |
研究実績の概要 |
静脈血栓塞栓症(VTE)は周術期の致死的合併症のひとつとして重要な疾患である。我々はこれまでに、周術期のVTE予防に、術前の深部静脈血栓症(DVT)のスクリーニングに加え、理学療法と抗凝固療法を行い、一定の効果があることを明らかにしてきた(PROVEN: Programme for VTE Screening at Nara study 1, 2)。今回、術前DVTのスクリーニングを行わずに、VTEリスク因子と抗凝固療法の除外基準のみによる、新たな周術期VTE予防プログラム(PROVEN study 3)を計画した。この結果により、周術期に抗凝固療法が必要な患者と不要な患者の抽出が可能となり、さらにどのような施設においても簡便かつ安全な抗凝固療法が行えるようになるため、抗凝固療法がさらに普及し、周術期の致死的VTEを減少させることが可能になると考える。 今回の研究では、煩雑な術前のD-dimer値と下肢静脈エコーによるDVTのスクリーニングを行わずに、VTEリスク因子の有無のみで周術期の抗凝固療法を行うかどうかを決定する。さらに、術前に抗凝固療法使用の除外基準を明確に設定し、除外基準を有する症例に対しては、抗凝固療法は行わないこととする。抗凝固療法の有効性(周術期VTE予防効果)と安全性(出血などの有害事象の頻度)を明らかにすることにより、VTEリスク因子と抗凝固療法の除外基準の妥当性についての検討を行っている。 現在、婦人科開腹手術170症例に対して、本研究に登録し、現在までのところ症候性の肺塞栓症は認めていない(1例に無症候性の肺塞栓症を認めた)。また、抗凝固薬使用例にmajor bleedingの有害事象は認めていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当科における年間手術症例数は500件程度であるが、近年急速に腹腔鏡下手術症例の件数が増加しており、開腹手術症例が減少しているため、やや症例数の登録が遅れているが、当初より予想されていたことである。
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今後の研究の推進方策 |
現時点では、エンドポイントの術後の症候性静脈血栓塞栓症の発症は認めていない。ひきつづき、症例の登録を続ける。腹腔鏡下手術症例が増加しているため、術前にVTEのリスクがあると判断された症例に対しては、積極的に抗凝固療法を行って、症例数の増加に努める方向である。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表のための旅費が少額で済んだことと、論文の掲載料の経費がそれほどかからなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、さらにデータの集積をすすめ、学会発表や論文掲載の機会を増やしていく予定である。
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