研究実績の概要 |
平成28年度の研究実績は縦断研究のための症例の集積とEPAのHDL機能に及ぼす効果を検証するための介入試験の試験デザインの設定である。過去に行った横断的研究の検討で用いた症例を合わせると、おおよそ約700例の症例が登録された。同時にデータベースの作成も行っており。横断研究のパイロット研究として学会発表を行った。横断研究で明らかにしたことは血清 n3多価不飽和脂肪酸(EPAとDHA)の血中濃度とHDL-C/アポリポタンパクA-1で評価される推定HDL粒子サイズとの関係を検討した。その結果、血清EPA濃度とHDL粒子サイズとは相関関係を認めなかったが、血清DHA濃度とHDL粒子サイズとは負の相関関係を示したことである。そして年齢、性別、及び動脈硬化の危険因子で補正した多変量解析では血清DHA濃度はHDL粒子サイズ減少の独立した因子であることが示された。以上は下記の学会で発表を行った。 1)谷樹昌:シンポジウム:血清 n3多価不飽和脂肪酸(エイコサペンタエン酸 [EPA]、ドコサヘキサエン酸 [DHA])の抗動脈硬化作用:HDL 粒子径による検討. 日本総合健診医学会第45回大会, 東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート(千葉県 浦安市), 2017.1.27 2)松尾礼, 谷樹昌, 高橋宏, 河内謙次, 渥美渉, 松本直也, 平山篤志: Association of N-3 Polyunsaturated Fatty Acids with High-density Lipoprotein Particle Size: A Cross-sectional Study. 第81回日本循環器学会学術集会, 金沢市教育プラザ (石川県 金沢市), 2017.3.17 600-800
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