研究課題
研究目的:個別化医療の時代において、がん患者や医療従事者の意思決定を支援するために、リアルワールドデータを用いたがん患者の予後予測モデルを構築することを目的とし、生存時間解析における樹木構造接近法による予後予測モデルやリスクスコアに基づくリスク分類法やより簡便なリスク分類法について、実際のがん患者のデータベース(がん登録・診療科データベース等のリンケージデータ)を用いて、その有用性及び限界を検討した。研究計画・方法:臨床医の協力を得て、実際のがん患者のデータベースを用い、それぞれの疾患の特徴およびニーズに応じた予後予測モデルを検討した。平成30年度は、特に方法論の精緻化および実データ・シミュレーションデータにおける適用に関する検討を行った。がん登録データの予後予測モデル構築のための樹木構造接近法の研究を行い、また、予測モデルの評価指標として、過剰ハザードモデルにおけるBrierスコアの推定方法の構築を行い、その統計的性質を研究した。また、実データおよびシミュレーションデータにより、臨床・疫学的な課題に対して予測モデルに応用可能な統計手法の適用を行いその有用性を確認した。また、個別化医療に応用可能なシミュレーションモデルの構築を行い、特に大腸がんモデルの整備を行なった。初年度の分析より把握した課題の整理および適用手順をまとめ、論文の公表の準備を行っている。今後、より一般化可能性の高い全国規模のデータベースへの適用を試みる。現状で利用可能な複数データベースを用いて、最新の統計的手法を適用した予後予測モデルの構築手順を確立し、疫学・統計の専門家だけでなく、臨床医の意見を取り入れて作成することで、臨床現場で活用可能な予後予測モデルの構築が可能としたい。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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