研究課題/領域番号 |
16K09048
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
横谷 省治 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70278951)
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研究分担者 |
前野 哲博 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40299227)
鈴木 英雄 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00400672)
後藤 亮平 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20780092)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | がん予防 / がん検診 / 小学生 / 中学生 / 出前授業 / 健康教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、小中学生にがんの正しい知識や予防の意識を醸成するために、興味を喚起する出前授業を行うこと、そして子どもが親など家族に授業で学んだことを話すことで、成人のがん検診受診率に影響するかについて検証することである。 茨城県北茨城市の全小中学校において、がん予防教育を2016年度から毎年実施し、2019年度には次の2つの調査を行った。 1)小学校6年生でのがん予防教育の教育効果がどの程度持続しているかを検討するために、3年前に小学校6年生でがん予防教育を受けた学年である2019年度の中学校3年生に、がんについての意識、態度、知識を尋ねる質問紙調査を行い、これを小学生時に本教育を受けていない、2018年度の中学校3年生の調査結果と比較した。知識についてはがんと関連する生活習慣として、たばこ、アルコール、野菜・くだもの不足、塩分のとりすぎ、魚や肉の焼けこげ(関連が少ない)、運動不足、肥満、細菌やウイルスの8項目を3年前の小学校の授業で取り上げていた。このうち2019年度の中学3年生の方が有意に正しく回答したのは、たばこ、塩分のとりすぎ、肥満、細菌やウイルスの4項目であった。小学校6年生でのがん予防教育の教育効果は、3年後にも一部ではあるが持続していた可能性がある。 2)児童・生徒へのがん予防教育が、親世代のがん検診やがん予防に対する意識に変化をもたらすか探るために、小中学校でのがん予防教育実施1カ月後に、児童・生徒と同居の成人を対象にした質問紙調査を行った。家庭内で子どもから「がん予防教育」の授業について話しを聞いた成人は、がん検診を受けたい気持ちが強くなった者が有意に多く、がん予防について新たに心がけていることがある者が有意に多かった。児童・生徒への学校でのがん予防教育が、親世代のがん検診に対する意識、がん予防に対する意識を好ましい方向へ変化させる可能性が示唆された。
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