研究課題/領域番号 |
16K09060
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
井岡 亜希子 琉球大学, 医学部, 委託非常勤講師 (10504871)
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研究分担者 |
青木 一雄 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60201282)
増田 昌人 琉球大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (30295323)
片山 博昭 公益財団法人放射線影響研究所, 情報技術部, 顧問 (20360852) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | レコード・リンケージ / 保健医療情報 / 個人同定 / 要確認率 / 偽陰性率 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、医療施策のアウトカム(成果)を評価するために、様々な機関で保有されているデータ間の連結(=レコード・リンケージ)を、個人情報の取り扱いを最小限に、かつ高精度の個人同定を行う新技術を開発するものである。 平成28~29年度は、オーストラリアのCHeReL(Centre for Health Record Linkage)を参考に、エントロピー理論を組み込んだ、個人情報の取り扱いを最小限に、かつ、日本人特有の姓名漢字に対応した高精度のレコード・リンケージの方法を確立し、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の開発に取り組んだ。このシステムの主な機能は、①医療機関などで保有する資料源登録番号と個人識別指標のデータ取り込み、②同一人物の同定、③マスタ登録である。②では、取り込まれたデータとマスタ間で同一人物の同定を行い、「日本版CHeReLシステム」内での個人同定番号(日本版CHeReLの個人番号)を付与し、データベースへの追加或いは更新を行う。同一人物の同定をするための指標として、姓名漢字(疑似漢字照合も含む)、生年月日、性別を設定し、住所と電話番号を参考指標とした。また、各指標に重みづけをし、その変更を可能としている。 平成30年度は、医療機関内に存在する資料源の異なるデータ(医事情報データや院内がん登録データ等)を用いて、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)を検証した。要確認率(目視確認が必要な件数の全照合対象件数に占める割合)と偽陰性率(同一人物がマスタに存在にするにもかかわらず、不一致と判定された件数の全照合対象件数に占める割合)を算出したところ、ともに5%未満であることを確認した。更に、より効率のよい同一人物の同定作業を実現するため、同定に用いる個人識別指標に「姓カナ」「名カナ」を追加し、カタカナの類似文字の対応変更など、システムの改修を行った。
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