研究実績の概要 |
本研究は地域住民コホート研究のデータを用い、データマイニング手法を応用することで健診結果に基づく生活習慣病罹患リスクと生活習慣や保健サービスへの期待等の情報により健診受診者集団を階層化することを目的としている。 平成28年度は1990年代を初年度として高血圧罹患ハイリスク者を選別する決定木で複数出来るグループをクラスター化することで、危険因子の保有状況も近い集団にまとめることができ、平成29年度は同年の健診受診者のデータに基づいて、保健事業の流れに沿った形で層別化を行った上で階層クラスター分析を行ったところ、a) 50歳未満、b) メタボ該当+予備群該当、c) 非該当で50歳以上、d) その他の4つのクラスターに分けられた。平成30年度は、2000年代を初年度とする決定木分析およびクラスター分析を行ったところ、a) メタボ該当、b) 50歳未満、c) 非該当で50歳以上、d) その他の群の4つのクラスターに分けられた。令和元年度は、糖尿病罹患ハイリスク者を選別する決定木分析およびクラスター分析を行った。2002年を初年度とした糖尿病罹患に対する決定木分析で選択された空腹時血糖値とHbA1c、および中性脂肪値を考慮し、保健指導の流れに沿って1)糖尿病該当、2)メタボリックシンドローム(MetS)該当、3)MetS予備群該当、4)非該当で血糖≧122または非該当でHbA1c 5.9%以上、5)非該当でTG 99mg/dL以上, 6) それ以外の6つの層に分け、年齢, BMI, HDL-C, LDL-C, 推定塩分摂取量、男性頻度、保健指導利用希望者頻度、現在飲酒者頻度、現在喫煙者を要因としたクラスター分析の結果、a) MetS該当+糖尿病該当、b) 予備群該当+TG高値、c) 血糖高値+その他の3つのクラスターに分けられ、効果的な介入が可能になると考えられた。
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