2013年4月19日、和歌山県立医科大学倫理委員会承認(UMIN000024878) ヘリコバクター・ピロリ(Hp)感染の有無をHp IgG抗体、胃粘膜萎縮程度をペプシノゲン法(PG法)により分類。A群はHpIgG抗体(-)かつPG法(-)で健常胃群、D群はHpIgG抗体(-)かつPG法(+)でHpが棲息できなくなった腸上皮化生群とする。D群では腸上皮化生のため、胃酸分泌が低下しpH5~7前後まで上昇していることが知られている。AおよびD群に振り分け、各被験者に梅エキスとプラセボを、時期を互いにずらして投与し評価した。評価項目は、腸内細菌叢、便回数、TG値、TC、ガストリン値、PG値などとした。2014年1~3月 和歌山県某町の健康診断において、Hp陰性が判明している健常者に研究参加の呼びかけを行い説明会を複数回実施。65名が説明会に参加してくださり63名(男性34名 女性23名)が研究に同意。エキス投与前後の便が採取できたのはA群35名、D群21名で、年齢性マッチしたA群21例とD群21例をもちいて腸内細菌叢の検討を行った。全42症例、およびA群間、D群間での梅エキス投与前と後での腸内細菌の多様性において優位な差は認めなかった。同様にA群エキス投与前とD群エキス投与前の腸内細菌の多様性において優位な差はなかった。菌叢の構造についての検討は現時点で順次解析中で全容解明に至っていない。 高脂血症治療薬内服がない40例で、エキス投与前と後の血液検査では、それぞれTC(222.9 219.9 P=0.19)TG(166.8 128.9 P=0.27)と有意差はつかなかった。
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