研究課題/領域番号 |
16K09070
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
疫学・予防医学
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
市川 弥生子 杏林大学, 医学部, 准教授 (90341081)
|
研究分担者 |
平野 照之 杏林大学, 医学部, 教授 (50346996)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 直接阻害型経口抗凝固薬 / 脳梗塞 / 脳塞栓症 / ファーマコゲノミクス / 一塩基多型 / CES1 / ABCB1 |
研究成果の概要 |
直接阻害型経口抗凝固薬(DOAC)の出血性副作用を予測するバイオマーカーの同定を目的に前向き研究を行った。CaucasianにおいてDOACの薬理効果に関与すると報告された遺伝子多型(CES1:rs2244613, ABCB1:rs4148738)を日本人脳卒中患者で検証し、アレル頻度、遺伝子型を明らかにした。ダビガトランの出血リスクを下げると報告されたCES1:rs2244613のCアレルの頻度は本研究では52%で、Caucasianでの頻度(18%)に比して高かった。本研究期間内では出血事象はなく、遺伝子型との関連性は特定されなかった。今後も、遺伝子型と出血性副作用との関連を検討していく。
|
自由記述の分野 |
神経内科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳塞栓症の二次予防を目的とした抗凝固療法において、ワルファリンに代わり、DOACが使われるようになった。DOACは血液凝固機能のモニタリングは不要とされるが、適切な薬物療法を行うために、出血性副作用を回避する指標が求められている。本研究は、欧米の先行研究でDOACとの関連が明らかとなった遺伝子多型について、日本人で検証した。年齢と腎機能の観点からDOACを選択したところ、現時点までに脳梗塞再発および出血性副作用はみられていない。今後も経過を追って、出血性副作用と遺伝子型との関連を検討していく。出血性副作用を予測するバイオマーカーの同定は、個人の薬物代謝能力に応じた個別化治療への礎となる。
|