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2017 年度 実施状況報告書

動脈硬化進展における性差・社会心理学的機序の解明に関する前向きコホート研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K09072
研究機関順天堂大学

研究代表者

野田 愛 (池田愛)  順天堂大学, 医学部, 特任准教授 (10616121)

研究分担者 山岸 良匡  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20375504)
本庄 かおり  大阪医科大学, 医学部, 教授 (60448032)
斉藤 功  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90253781)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードαアミラーゼ / 糖尿病 / 社会的要因
研究実績の概要

平成29年度は、社会的要因(社会的役割、仕事と家庭の対立、社会的サポート・ネットワークや教育歴・職業・世帯収入を含む社会経済的地位等)、唾液中のストレス関連マーカーであるαアミラーゼの測定を実施し、横断的解析として、動脈硬化の重要な危険因子である糖尿病罹患とαアミラーゼに関する検討を行った。平成26~29年度の調査に参加した30-74歳の男女1,525人(男性431人, 女性942人)のうち、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、糖尿病の既往歴のあった152人を除く、1,373人を解析に用いた。糖尿病罹患は、75g経口糖負荷試験結果より判定した(空腹時血糖値>126mg/dLまたは糖負荷後2時間値>200mg/dL)。女性において、αアミラーゼが高い者は、低い者に比べて、糖尿病の割合が高いことを認めた(1標準偏差 (1.952)増加に対するオッズ比(OR)=1.47; 95%信頼区間(CI)=1.05-2.04)。また、この関連は65歳未満の女性で顕著に認めた(OR =1.94; 95%CI=1.05-3.60 vs. 65歳以上の女性: OR =1.24; 95%CI=0.84-1.82)。65歳未満において、既婚女性は、未婚女性に比べて、αアミラーゼが高かった(114.4 U/ml vs. 89.6 U/ml; p=0.04)。また、既婚女性において、非正規雇用者は、正規雇用者に比べて、αアミラーゼが高かった(172.4 U/ml vs. 105.6 U/ml; p=0.02)。しかしながら、男性では、同様の関連は認められなかった。特に、65歳未満の女性において、婚姻状況、雇用形態といった社会的要因がストレス反応を介して、糖尿病罹患に影響している可能性が示された。なお、上記研究結果について、論文化を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度は、378人に対し調査を実施し、生活習慣や心理社会要因を含む質問票、並びに自律神経機能、血圧値、血糖値、コレステロール値、頸動脈エコー、CAVI測定等の多岐に渡る検査情報を収集した。既に平成26~28年度に実施済みの対象者と合せると、計1,777人の調査が完了した。また、平成26~29年に唾液が収集できた1,777人に対して、唾液中のストレス関連マーカーであるαアミラーゼの測定が完了した。唾液中αアミラーゼの上昇に関連する社会的要因の特定、及び動脈硬化の危険因子である糖尿病罹患と唾液中αアミラーゼとの関連について検討を行い、本研究課題の目的達成に関連した結果を得ることができた。したがって、本研究は計画通りに進行している。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、横断的解析をさらに進め、性差の相互作用項としての影響を考慮しつつ、社会心理的要因が動脈硬化の進展に与える社会心理学的機序について共分散構造分析を用いた検討を実施する。また、その結果について、国内外学会での発表・論文化を進める。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度の研究参加者数が予定より少なかったため、予定していた検査費用を使用しなかった。使用しなかった費用に関しては、平成30年度に開催される学会等の費用に当てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 心拍変動と家庭血圧に関する疫学研究:東温スタディ2017

    • 著者名/発表者名
      斉藤功
    • 学会等名
      第76回日本公衆衛生学会総会

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公開日: 2018-12-17  

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