研究課題
東温スタディは、平成21年~平成24年度にかけて実施した調査をベースラインとした前向きコホート研究である。愛媛県東温市の地域住民(約2000人)を対象に、動脈硬化(頸動脈エコー、CAVI等)及びその生物学的危険因子(血圧、75g経口糖負荷試験による糖尿病評価、血中コレステロール、腹囲等)、自律神経機能(心拍変動によるスペクトラム解析)、生活習慣(喫煙、飲酒、栄養、身体活動、睡眠等)を把握している。平成26年度から(平成29年まで)フォローアップ調査として、5年後調査を実施した。5年後調査においては、ベースライン調査項目に加えて、新たに社会的要因(社会的役割、仕事と家庭の対立、社会的サポート・ネットワークや教育歴・職業・世帯収入を含む社会経済的地位等)を、把握している。平成28~29年度にかけて、これまでのデータに加えて5年後調査時における唾液中のストレス関連マーカーであるαアミラーゼ測定を実施した。平成30年度は、追加調査として、平成26~29年度に参加していない66人に対して、フォローアップ調査・唾液中αアミラーゼ測定を実施した。横断的解析において、社会経済状況(低学歴、非正規雇用者)や婚姻状況(未婚)といった社会的要因と唾液中のストレス関連マーカーであるαアミラーゼ高値との関連を認めた。また、αアミラーゼが高い者は、血圧値、空腹時血糖値、インスリン感受性の指標であるHOMA-IR・Matsuda Indexの値、動脈硬化の指標であるCAVIの値、軽度認知障害の割合が高いことが示された。これらの結果について、第29回日本疫学会学術総会(2019年2月1日・東京)において学会発表を行い、現在論文化を進めている。
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American Journal of Hypertension
巻: 31 ページ: 1120-1126
10.1093/ajh/hpy100
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