研究課題
脳卒中の発症・再発予防のための血圧管理、減塩、禁煙等の指導は科学的なエビデンスに基づいて実施されている。一方、日常診療や啓発活動で述べられることの多い「水分摂取」については、脱水が脳梗塞発症・再発リスクとなることは示唆されているものの、積極的な水分摂取や就寝前の水分摂取が脳卒中発症率・再発率を低減させるという明確なエビデンスは示されていない。本研究では、①申請者らが横断研究を実施した脳梗塞患者約300 人に対して1年毎の追跡調査を行い、水分摂取パターン(摂取量及び時間帯)と脳梗塞再発、および水分摂取過多による有害事象との関係を明らかにする、②健常者のコホートである神戸研究と比較を行い、脳梗塞初発・再発予防に適切なそれぞれの水分量を明らかにする、ことを目的としている。平成30年度末の時点で、下記1)から4)を行った。1)平成25年度から27年度にかけて行われたベースライン調査参加者に対して、その後の水分摂取状況、生活習慣の変化、日常生活動作の低下、有害事象の有無に関する調査を郵送にて行った。2)調査票から(あるいはそれで得られなかった場合には電話調査によって)得られた情報の「電子管理データベース」の構築を行った。3) 本調査による脳梗塞既往者と神戸トライアルにおける健常者の水分摂取量に関するデータを整理して、第54回日本循環器病予防学会で報告及び、第11回欧州公衆衛生学会での発表に応募してアクセプトされたので報告を行った。4)これに基づいて論文作成を行い英文学術誌Cerebrovascular Diseasesに掲載された。
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Cerebrovascular Diseases
巻: 印刷中 ページ: 1-8
10.1159/000500075