本研究では、一般住民における腸内フローラと動脈硬化性疾患の関連についての疫学的検討を目的として研究を実施した。腸内のフローラの網羅的な解析は実現に及ばず、腸内細菌代謝産物や腸管内炎症マーカーと動脈硬化関連因子との疫学的研究となった。腸内細菌代謝産物との有意な関連を明らかにすることはできなかったが、メタボリック症候群の構成因子との正の傾向にあることは示された。また、腸内環境に関わる腸管内の炎症性バイオマーカーと尿中微量アルブミンとの関連は、腸管内の炎症と血管内の炎症および血管内皮機能との関連を示唆する結果と考えられる。
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