研究課題/領域番号 |
16K09096
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
志摩 梓 滋賀医科大学, 医学部, 客員准教授 (20635958)
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研究分担者 |
辰巳 友佳子 帝京大学, 医学部, 講師 (00757685)
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30246045)
呉代 華容 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30708681)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 健康診断 / 高血圧 / 糖尿病 / コントロール / レセプトデータ |
研究実績の概要 |
本申請課題は、職域コホートの健診データとレセプトデータを継続的に突合し、①循環器疾患のリスク因子と受療状況、疾病コントロール等の関連、②がん検診および精検受診率とがん発症との関連等を検討すること、を目的としている。 2020年度は、循環器疾患については、1) 2017年健診時にII度以上の高血圧者273人を対象として実施した、医療機関への紹介状を発行する保健介入の追跡検討を行った。その結果、紹介状発行により外来受診開始が増加するだけでなく、1年後のIII度高血圧者が従来の約半数となることを公表した(OR: 0.42、95%CI: 0.19-0.90)。2) 家庭血圧測定状況の検討を進め、降圧薬服用者に限った分析において、家庭血圧測定習慣がある者は約25%であること、男女ともに他の生活習慣病治療があることが、女性では血圧管理不良と、不健康な生活習慣であることが、測定習慣なしと関連することを公表した。3) 糖尿病コントロールについて、9年間の78536件(14556人)の健診データから、101件(61人)の血糖パニック値(HbA1c: 11.0%以上、または随時血糖: 400mg/dL以上、または空腹時血糖: 300mg/dL以上)を抽出・分析し、健診直後における個別の受診勧奨により一旦は全員が医療機関を受診するものの、翌年健診時に治療継続が確認できた者は約8割で、治療継続者でも約6割でHbA1cが8%以上であることを公表した。 がん検診については、大腸がん検診(便潜血反応検査)の受診、精密検査受療状況等のデータ整理を進めたが、大腸がん罹患との関連等の検討は、後述のとおり2021年度に行うことにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は最終年度として、循環器疾患だけでなくがんに関しても、レセプトデータからがん罹患を評価得るデータベースを整え、成果報告を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症対応にかかる研究代表者の本務多忙、更に、研究フィールドである健康保険組合の多忙から必要なデータベース整理を進めることができず、がん検診や精密検査受療状況と、がん罹患有無の関連を検討するに至らなかった。そのため、令和3年度まで事業期間延長の申請を行い、研究の完成を目指すこととしたことから、遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
循環器疾患については、レセプトから評価した受療状況のデータを活用し、疾病コントロールにかかる独自性の高い解析を更に進めていく。がんについては、がん罹患にかかるデータベース拡充を行い、がん検診や精密検査の受療状況、およびがん罹患との関連等を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、実施期間の最終年度として、国際学会における研究成果の公表等を目指していた。しかし、研究代表者の新型コロナウイルス感染症対応による本務多忙等のため、それらの準備を行うことができなかった。事業期間を1年間延長したことに伴い、予算を令和3年度に繰り越した。
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