研究課題/領域番号 |
16K09104
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
竹下 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20150310)
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研究分担者 |
牟礼 佳苗 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90268491) [辞退]
島袋 美絵 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (70776939)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / アルコール / 生活習慣 / 遺伝子型 / 疫学 |
研究実績の概要 |
2つの町の健診受診者1989人のうちで重要な情報に欠落のない1852人について、動脈硬化指標に与える飲酒の影響について解析を行った。男性では、飲酒量により4つのグループに分け、女性では飲酒量により3つのグループに分け、baPWVに与える飲酒の影響について、肥満度、喫煙習慣、運動習慣、治療の有無などの重要な交絡要因を調整して推定周辺平均値を求めた。男性では、最も飲酒量の多い群で有意なbaPWVの上昇との関連がみられた。また女性でも、やはり最も飲酒量の多い群で有意なbaPWVの上昇との関連がみられた。男性では先行研究と一致する結果となり、女性ではこれまで報告されていない関連性を観察することができた。 頸動脈内膜中膜厚についても同様に、肥満度、喫煙習慣、運動習慣、治療の有無などの重要な交絡要因を調整して推定周辺平均値を求めた。その結果、男女ともに飲酒量グループとの関連性はみられなかった。 ABI(ankle-brachial pressure index)については、0.9未満の低値を従属変数として、また肥満度、喫煙習慣、運動習慣、治療の有無などの重要な交絡要因を調整してロジスティック回帰分析を行った。男性の最も飲酒量の多い群では、ABI低値と負に関連する傾向を認めた。また、女性においては、最も飲酒量の多い群が、有意に負の関連を示した。 今後、アルコール代謝酵素の遺伝子型と飲酒との交互作用について解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
飲酒と動脈硬化との関連性について、断面調査とはいえ大人数の、また2地域の人口移動の少ない地域において重要な知見が得られつつある。遺伝子型の解析を加えることにより、飲酒と動脈硬化との関連性について、より貴重な知見が得られると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
現在、重要なアルコール代謝酵素の遺伝子型の情報を含めた解析に着手しているが、さらに、数年間の動脈硬化度と飲酒、遺伝子型との関連についても解析の準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子型の影響の解析には、対象者の人数を増やすことが必要であり、そのために2019年度までかけて解析を継続する必要が生じたため。
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