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2016 年度 実施状況報告書

発達障害傾向、愛着パターン、プレゼンティーズムと職場・学校不適応及び抑鬱との関連

研究課題

研究課題/領域番号 16K09105
研究機関北里大学

研究代表者

鈴木 知子  北里大学, 医学部, 助教 (60728682)

研究分担者 宮木 幸一  北里大学, 医学部, 准教授 (20327498)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード発達障害 / プレゼンティーズム / 不適応 / 抑うつ / 自閉スペクトラム症 / 労働者 / 大学生 / 愛着パターン
研究実績の概要

(1) 発達障害のひとつである自閉症スペクトラム障害と診断された患者対象に、当初予定していたアンケート調査項目と、質的解析のための調査として困っていることについても実施した。本調査の対象者は、診断されていることを人には知られたくないと思っている人が多いため、実施できたことの意義は大きい。また、質的解析を得意としている研究者も研究チームに入ったので、今後の解析結果が大きく期待できる。
一般の大学生約1000人を対象としたインターネット調査を実施し解析に入っている。本調査には各学年、多種学部学科からの参加のため、大学生活にまだ慣れていない入学生や就職に不安を持っている最終学年についての検討や、学部間の検討が可能で、また、参加者数が多いため、色々な側面からの解析が可能である。また、精神科、公衆衛生学の先生方にも研究チームに入って頂き、さらに共同研究者の大学医学部での学生対象にもアンケート調査が来年度に実施可能となり、大学生活が不適応とならないような予防方法、改善についての深い検討が可能になると思われる。
(2) WHO-HPQ版プレゼンティーズム調査票は労働者が対象となっているため、学生用を開発し、上記の学生対象の調査に用いた。この結果を検討することにより妥当性の確認が可能と思われる。
(3) 既に調査済の約2200 人の労働者データを用いて、本研究のテーマである発達障害傾向による影響やプレゼンティーズムに影響を受ける要因について検討し、学会にて発表した。現在、国際誌に投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の計画は、自閉症スペクトラム障害と診断された方、大学生、地域住民に対してアンケート調査の実施、昨年度までの研究期間の職域コホートJ-HOPE 研究の追跡により集積された約2200 人の労働者のデータを用いての解析であった。
アンケート調査については、自閉症スペクトラム障害と診断された方と大学生対象については実施できたが、地域住民に対しては行わなかった。しかし、代わりに、発達障害傾向のある人を対象とした既存データセットを手に入れることができ、興味深い解析結果が得られたことは意義が深いと思われる。また、集積済みの労働者を対象としたデータセットの解析より、インパクトの高い結果がいくつも得られたため、学会発表を行うことができ、現在、2論文は国際誌に投稿中であり、2論文は投稿準備中となっている。
以上より、おおむね順調に進展している区分になると思われる。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、インパクトのある解析結果を国際誌に投稿し、また、収集したデータの解析を行い学会発表をしていくことを予定している。
平成29年度、新たに学生相談室のカウンセラーの先生方、経済学の先生方が我々の研究チームに入る予定であり、色々な専門家が加わることにより我々の研究がさらに深みのある研究になると想定される。
今回の研究テーマとしてのキーワードは、発達障害傾向、愛着パターン、プレゼンティーズム、職場・学校不適応、抑鬱であり、発達障害については、そのひとつの自閉スペクトラム症に着目していたが、発達障害に含まれる、ADHD(注意欠陥多動性障害)も周囲の人に障害として理解されづらく、また、自閉スペクトラム症と併発している例もあり、職場・学校不適応や抑うつに繋がるリスクがあるため、ADHDも調査対象としていく予定である。
平成29年度の計画通りに平成28年度収集したデータをデータベース化し、既に調査済の職域コホート健常者と合わせて解析検討をしていく予定である。そして、既に調査済の職域コホートの解析結果を順次、国際誌の論文作成、学会発表等にて公表していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究が順調に進んでおり、ほぼ計画通りに施行している。

次年度使用額の使用計画

フィールド調査や研究打合せへの交通費。成果発表としての学会発表の旅費、参加費や、論文投稿のための英文校正、論文投稿費。研究調査票や説明書の印刷、紙の調査票の電子データ化への費用。情報収集のための本購入や文献コピー代や研究会参加、電子データ保管のためのハードディスクや統計解析のためのソフトなどが必要となる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (4件)

  • [学会発表] 発達障害傾向と仕事の生産性(プレゼンティーズムWHO-HPQ日本語版)の関連2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木知子、宮木幸一、堤明純
    • 学会等名
      日本産業衛生学会
    • 発表場所
      東京ビッグサイトTFTビル(東京都江東区)
    • 年月日
      2017-05-11 – 2017-05-13
  • [学会発表] 職域集団における発達障害傾向と社会経済状況、生活習慣との関連2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木知子、宮木幸一、堤明純
    • 学会等名
      日本疫学会
    • 発表場所
      ベルクラシック甲府(山梨県甲府市)
    • 年月日
      2017-01-25 – 2017-01-27
  • [学会発表] 労働時間と仕事の生産性(プレゼンティーズム)の関連2016

    • 著者名/発表者名
      鈴木知子、宮木幸一、江口 尚、堤 明純
    • 学会等名
      日本産業衛生学会
    • 発表場所
      福島県文化センター(福島県福島市)
    • 年月日
      2016-05-24 – 2016-05-27
  • [備考] 産業精神保健研究機構RIOMH

    • URL

      http://riomh.umin.jp/

  • [備考] 「抑うつ発症における職業性ストレスと遺伝素因・エピゲノムの相互作用」研究

    • URL

      http://plaza.umin.ac.jp/miyaki

  • [備考] 北里大学医学部公衆衛生学

    • URL

      http://www.med.kitasato-u.ac.jp/~publichealth/index.html

  • [備考] J-HOPE

    • URL

      http://www.med.kitasato-u.ac.jp/~publichealth/jhope.html

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公開日: 2018-01-16  

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