研究実績の概要 |
本研究では,労働者が定年によってどのような影響を受けるのか,在職中の健康状態と定年後の健康状態がどのように関連しているのかを明らかにすることを目的とした.平成29年度は当該事業所に20年以上在籍し,退職者組織(社友会)の会員で,平成15年度から28年度の定年退職者3,394名を対象に,自記式質問紙票「退職後の健康に関する質問調査」を配布した.調査項目は生活習慣(食習慣,運動習慣,睡眠など),保健行動(受療状況,健診受診など),社会活動参加状況とした. 調査結果は3,394名中2,323名(男性1,462名,女性861名)の回答(回収率68.4%)があった.退職後経過年数を3区分し,退職後3年未満285名(12.8%),3年から6年未満367名(16.4%),6年以上1584名(70.8%)であった.婚姻状況は配偶者あり1,916名(83.7%),死別246名(10.7%),離別54名(2.4%),未婚69名(3.0%)であり,同居の有無は同居者あり2,145名(92.3%),同居者なし179名(7.7%)であった.退職後の就業状況は仕事なし(家事含む)1,720名(77.0%),仕事あり514名(23.0%)で,仕事内容は農林業が最も多く135名(23.6%)であった.現在の健康状態はとても良い68名(3.0%),良い378名(16.6%),ふつう1,515名(66.4%)あまり良くない265名(11.6%),良くない57名(2.5%)であった.過去1年間の健診等(健康診断,健康診査及び人間ドッグ)の受診状況は受診あり1,698名(83.3%),未受診341名(16.7%)であった.社会参加活動は参加あり131名(5.8%),まあまあ参加894名(39.4%),あまり参加していない952名(41.9%),まったく参加していない294名(12.9%)であった.
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