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2018 年度 研究成果報告書

麻疹流行株交代現象の解析―排除状態維持のためのウイルス伝播能力の分子基盤

研究課題

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研究課題/領域番号 16K09112
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 衛生学・公衆衛生学
研究機関長浜バイオ大学

研究代表者

伊藤 正恵  長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (10201328)

研究協力者 高橋 健一  
脇本 浩史  
佐藤 友人  
坂本 賢人  
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード麻疹ウイルス / 遺伝子型 / 流行株 / 個体間伝搬
研究成果の概要

麻疹ウイルスの増殖特性の遺伝子型による違いを明らかにする目的で、日本国内で1990年代後半に流行したD3遺伝子型と2000年代になってこれに置換したH1遺伝子型について比較した。Vero/SLAM細胞における感染拡大速度は、両ウイルスで明らかに異なっていた。D3-H1型キメラウイルスの細胞融合と粒子形成は、H蛋白質ではH1型、F蛋白質では逆にD3型により促進されたが、H、F蛋白質が同じ遺伝子型由来の場合には相互に補完し合い、H1型とD3型で差が認められなかった。M蛋白質の機能には差はなかった。以上の結果から、D3型とH1型の増殖性の違いは、他のウイルス蛋白質も関与していることが示唆された。

自由記述の分野

ウイルス学

研究成果の学術的意義や社会的意義

麻疹ウイルスは、A遺伝子型のワクチンが野生株の全ての遺伝子型に対して有効で遺伝子型間で抗原性に大差がなく、遺伝子型特異的抗原性や血中抗体の保有状況など従来の疫学因子では日本国内で流行株が置換した現象を説明できない。これまで遺伝子型間で、増殖特性の比較はほとんど行われてこなかったが、本研究では、D3型とH1型で大きく異なること、ウイルス蛋白質の機能も遺伝子型で違いのあることを明らかにした。遺伝子型間でのこの違いが流行株交代を説明する可能性があり、その意義は大きい。D3型とH1型の増殖特性を決定するウイルス蛋白質の同定と機序の解明には至らず今後の課題である。

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公開日: 2020-03-30  

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