研究課題/領域番号 |
16K09117
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
島津 太一 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (00466202)
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研究分担者 |
立花 宏文 九州大学, 農学研究院, 教授 (70236545)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 分子疫学 / 緑茶 / カテキン / 胃がん / コホート研究 |
研究実績の概要 |
本研究の対象者は、多目的コホート研究実施地域のうち秋田県横手保健所管内(秋田県横手地域)において、平成元年の生活習慣アンケートに答えた当時40 から59 歳の地域住民約12,000 名である。生活習慣情報、胃がんの発生に関する情報はすでに収集されデータベース化されたものを用いる。アンケート回答者の胃がん組織については、対象地域の中核病院から未染色ガラススライドとして404検体を収集済みである。 これまでに、緑茶カテキンが67LR 依存的に環状グアノシン一リン酸 (cGMP)産生を誘導することで抗がん作用を発揮することが報告されている。予備的な検討において、腫瘍組織切片における67LRの染色条件を決定するためヘマトキシリン染色の濃度や用いる一次抗体、抗体濃度、抗原賦活化処理の有無について検討をし、理想的な条件を得、その条件に基づき自動免染機によって染色を行い、染色像を得た。これらの画像を顕微鏡下で観察したところ、腫瘍部において67LRの発現が高いことが確認できた。 平成28年度に引き続き、平成29年度末までに、胃がん組織の免疫組織学的解析を実施し、緑茶の機能性センサーである67LRの発現レベルの評価を404検体すべてについて完了した。67LRタンパクが染色された画像を分離し、画像解析ソフトウエアにより67LRの発現量を数値化したところ、写真の67LR発現量と同様の傾向が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画どおり、胃がん患者検体404枚を用いて67LR発現レベルの解析を完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、緑茶摂取と胃がんリスクとの関連について67LRの発現の有無により関連性が異なるかどうか、COX比例ハザードモデル等による統計解析を行い検討する。また、緑茶摂取と胃がんの予後についても、67LRの発現の有無により関連性が異なるかどうか検討を加える。また、画像解析ソフトウエアにより得られた発現レベルの妥当性についても検証を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究打ち合わせのための旅費が不要になったため。次年度は、情報収集ならびに研究打ち合わせに使用する。
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