研究課題/領域番号 |
16K09123
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉記 雷太 東北大学, 医学系研究科, 助教 (40507919)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 包括的小児疾患管理 / 費用効果分析 / 小児肺炎 |
研究実績の概要 |
2015年初頭に世界保健機関(World Health Organization: WHO)によって改定された包括的小児疾患管理(Integrated Management of Childhood Illness: IMCI)の肺炎治療ガイドラインの費用効果分析を実施している。初年度はプロトコルの作成及び同地域で実施しているコホート研究から基礎となるデータ収集を実施し、得られたデータから決断樹解析ソフト(TreeAgePro2017)を用いて、時系列事象(患者の症状・受療行動・訪問医療施設・診断・新ガイド適用有無)にしたがって各シナリオとその転帰(生存・死亡)およびその確率・コストを算出した。プレリミナリーデータからは、IMCIの改訂前後で治療効果の同等性が示され、また病院ではなくヘルスセンターレベルでの治療が約10%増加し、そこからのコスト低減が示された。これらの成果は次年度以降に取得される詳細なコストのデータとあわせて、WHOの肺炎対策ガイドラインの改訂前後での詳細な評価が可能となり、開発途上国における費用対効果の高い小児肺炎政策提言につながる。また、Health Technology Assessment International学会(http://www.htai.org/)に参加し、改定版IMCI用デバイスにかかる費用の情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書のタイムライン通りにおおむね進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も申請書のタイムライン通りに進めていく予定である。今年度は、病院レベルおよび世帯レベルにおける詳細なコストに関するデータを収集し、新ガイドライン導入による費用効果分析からの国レベルの医療費削減インパクト評価に加えて、世帯レベルのコスト(医療費・間接的費用)評価から、Catastrophic Expenditure(世帯が生活困難となる医療支出)の新ガイドラインによるインパクト評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ取得に関して遠隔的に可能な部分があり、現地出張回数が抑えられた。また、初年度は別プロジェクトからのデータ参照部分が主となったため、現地での人件費・謝金が抑えられた。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度においては、現地でのデータ取得において、いくつかの関係機関が絡んでくるため予定より多くの出張が想定され、また、円安およびフィリピンの物価インフレから来年度の人件費試算は当初の予定の25%前後追加が見込まれ、それら追加的予算に次年度使用額を充当する。
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