研究課題/領域番号 |
16K09123
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉記 雷太 東北大学, 医学系研究科, 助教 (40507919)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 包括的小児疾患管理 / 費用効果分析 / 小児肺炎 |
研究実績の概要 |
2015年初頭に世界保健機関(World Health Organization: WHO)によって改定された包括的小児疾患管理(Integrated Management of Childhood Illness: IMCI)の肺炎治療ガイドラインの費用効果分析を実施している。2017年度は、前年度の解析結果に基づいて、費用に関する病院レベルおよび世帯レベルに関する情報を追加することによって、詳細な改訂版肺炎治療ガイドラインの評価が可能となった。 2017年6月に行われた17th Conference of the Science Council of Asiaおよび2017年11月に実施されたグローバルヘルス合同大会(日本熱帯医学会・日本国際保健医療学会・日本渡航医学会合同学術集会)では、費用対効果の基礎となる肺炎発生率に関するデータを発表し、2018年2月に行われたThe Research Forum for the 10th Anniversary of RITM-Tohoku Collaborating Research Center in the Philippinesでは、ガイドライン改定前後の費用効果分析の結果を発表した。 社会実装の観点から、発表されたプレリミナリーなデータはフィリピン国保健省と共有され、カウンターパートである保健省・熱帯医学研究所(Research Institute of Tropical Medicine)と協議を進め、本研究を「パイロット」と位置づけ、今後対象地域を拡大していくプランを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究サイトで継続中のコホート研究とも連携しており、研究基盤ネットワークが確立しているため、追加データの取得が容易であった。サイトは途上国の遠隔地であるが出張もエフォートを考慮しつつ複数のタスクも同じ研究サイトで活動できたため、リソース(ヒト・モノ・情報・移動)の効率的な活用が可能であった。 そのため、時間的に活動の前倒しが可能となり、平成30年度に行う予定であった費用効果分析の追加的調査にかかる経費を一部利用した。次年度使用額が減額となるが、研究活動内容に沿って予算執行を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られたデータを基に解析を進め、論文化につなげる。特に費用効果分析に特化したソフトであるTreeAge Healthcare Proの利用者とのネットワークを利用して、複雑な解析手法を組み入れたデータ解析を進める。また、追加的に必要なデータは現在も継続しているコホート研究のデータも活用しながら、Limitationの少ない結果を導く。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に平成30年度に行う予定であった費用効果分析の追加的調査にかかる経費を一部利用した。平成30年度は、残りの助成金を主にデータ解析、成果発表に係る経費として使用する。
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