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2017 年度 実施状況報告書

メチル水銀の生殖機能に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K09124
研究機関秋田大学

研究代表者

村田 勝敬  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80157776)

研究分担者 前田 恵理  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30778395)
坂本 峰至  国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 主任研究員 (60344420)
寺田 幸弘  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10260431)
岩田 豊人  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00321894)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードメチル水銀 / 不妊 / プレコンセプションケア
研究実績の概要

神経毒性物質として知られているメチル水銀では、生殖機能への影響についても指摘されているが、先行研究が極めて少ないことに加え、対象者の水銀レベルが日本人と比較し著しく低いこと、重要な拮抗作用を持つセレンについて考慮した研究が存在しないことから、明らかな証拠となる報告は未だ存在しない。
本研究では患者群(大学病院受診の不妊患者98名)と対照群(30代の女性労働者43名)について血中微量金属類濃度を比較した。患者群の血中セレン値は189± 25 μg/L、対照群は200 ± 25 μg/Lと、患者群の血中セレン値は有意に低かった( p = 0.01)。血中総水銀値をはじめ、その他の微量金属類濃度に2群間で差はなかったが、セレンと水銀の拮抗作用を考慮し、セレンで調整した血中総水銀値は、患者群で有意に高かった。その他の金属類や交絡要因について多重ロジスティック回帰分析により調整しても、セレン低値と水銀高値は不妊と有意に関連していた。不妊の原因別では、原因不明不妊や子宮内膜症による不妊患者で特にセレン値が低かった。
魚介類の摂取を介したメチル水銀曝露は不妊と関連する一方、セレンの摂取が妊孕性を保護している可能性がある。魚介の種類別に、メチル水銀含有量だけでなくセレン含有量についても明らかにし、妊娠を希望する女性が、魚介摂取の利点を最大限生かせるような取組が必要かもしれない。
現在、上記に関する論文の投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

すでに、結果のまとめが終了し、論文投稿の準備を行っているところである。

今後の研究の推進方策

今回得られた結果をもとに、水銀・セレン摂取と妊娠に関するコホート研究を計画する。

次年度使用額が生じた理由

次年度は英文校正、論文投稿費用、学会発表のための旅費等として用いる。今年度までに学会発表を行わなかったため、次年度に使用する。

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公開日: 2018-12-17  

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