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2019 年度 実績報告書

コホート研究に基づく受胎確率の推定

研究課題

研究課題/領域番号 16K09126
研究機関東京大学

研究代表者

小西 祥子  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70451771)

研究分担者 清水 慶子  岡山理科大学, 理学部, 教授 (90135616)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード妊孕力 / 妊娠待ち時間 / 出生力 / 不妊 / 甲状腺 / バイオマーカー / コホート調査 / 性交
研究実績の概要

本研究では、2015年に開始したコホート調査の1年後および2年後調査を実施するとともに、調査開始時に採取した血液および尿検体中のバイオマーカーの測定を行った。コホート調査の対象者は第1子の妊娠を希望していて、不妊治療をしたことのない23歳から34歳までの健康な女性80名である。月経周期あたりに受胎(妊娠)する確率と、年齢および性交頻度、BMI、抗ミュラー管ホルモン濃度の関連について統計解析を行った。性交頻度が高いと受胎確率の高い傾向がみられた一方で、年齢やBMI、抗ミュラー管ホルモン濃度と受胎確率の間に有意な関連はみられなかった。また尿中のヨウ素濃度および血清中の甲状腺ホルモン関連バイオマーカーについて測定を行った。尿中ヨウ素濃度はと遊離サイロキシンと負の関連を示したことから、ヨウ素摂取が甲状腺機能に影響を及ぼしている可能性が示唆された。これらの甲状腺関連バイオマーカーと受胎確率の関連について現在、論文を執筆中である。
今回対象とした比較的若い年齢層の健康な女性においては、年齢や卵巣予備能を示すといわれるバイオマーカー(抗ミュラー管ホルモン濃度)といった生理学的な要因ではなく、性交の頻度という行動要因が受胎確率との関連を示した。これらの生理学的および行動要因の妊娠確率に及ぼす影響を同時に評価した点に本研究の学術的意義がある。社会的意義としては、妊娠を希望するカップルは性交頻度を高くすることでより高い妊娠確率を期待できるという、容易に予想される結果を明確なデータで示したことにある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 「妊娠しやすさ」の科学的な評価―妊娠待ち時間の測定と解釈―2019

    • 著者名/発表者名
      小西祥子
    • 雑誌名

      保健の科学

      巻: 61 ページ: 599-603

  • [雑誌論文] 世界の地域ごとの不妊割合の比較2019

    • 著者名/発表者名
      小西祥子
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 268 ページ: 1000-1001

  • [学会発表] 妊娠確率の異質性と完全不妊についてのモデル研究2019

    • 著者名/発表者名
      濱崎貴介、小西祥子、高安伶奈、大槻久
    • 学会等名
      第12回人間行動進化学会
  • [学会発表] Coital frequency, infertility treatment, and probability of conception of Japanese couples trying to conceive.2019

    • 著者名/発表者名
      Konishi S, Saotome TT, Shimizu K, Oba MS, O’Connor KA
    • 学会等名
      The Annual Meeting of the American Anthropological Association, the Canadian Anthropology Society
    • 国際学会
  • [学会発表] 女性の既往出生児数と主観的健康の関連-検証的因子分析を用いたメカニズムの検討-2019

    • 著者名/発表者名
      小西祥子、梅崎昌裕、鈴木庄亮
    • 学会等名
      第84回日本健康学会
  • [学会発表] インドネシアにおける食塩摂取量の推定(ポスター)2019

    • 著者名/発表者名
      酒井悠衣、荒木徹也、関山牧子、小西祥子
    • 学会等名
      第84回日本健康学会

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公開日: 2021-01-27  

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