研究課題/領域番号 |
16K09133
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小森 香 高知大学, 医学部, 特任研究員 (90769647)
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研究分担者 |
小森 正博 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (30565742)
滿田 直美 高知大学, 医学部, 特任研究員 (30611389)
今中 桃 高知大学, 医学部, その他 (80598524) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 睡眠時無呼吸症 / 神経精神発達 / コフォート調査 |
研究実績の概要 |
小児の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の推定有病率は対象や検討法もさまざまながら1.2~17.3%とされ、本邦にて6~8歳を対象にアクチグラフィを用いた調査では3.5%とされている。SASは情緒・行動面に加え知的側面にも影響を及ぼすことが知られている。英国のコホート調査では、SASが子供の発達に影響を与えていることを報告し、生後30か月時に睡眠時無呼吸症状が強く出ていたクラスでは4歳、7歳時になっても情緒行動面の問題が強く残っていたとしている。また、重症のSASを持つ6~16歳児には画像上脳障害があり、IQ85、実行機能も低下している。これに対し、アメリカでの5~9歳を対象とした扁桃アデノイド手術前後を評価したランダム化比較試験では、情緒・行動面は有意に改善したが、神経発達には有意な改善がなかったとされる。しかし、この結果は、扁桃肥大が2-3歳から始まることを考慮できておらず、より低年齢児においての治療介入の効果について検討が必要である。子供の知的・情緒・行動面へのSASの影響と早期介入効果を明らかにできれば、早期治療の必要性を積極的に啓発できる。SASの質問紙は本邦ではまだ標準化されたものが無い。 エコチル参加者にしている2~5歳の小児に①既存の6つのSASの質問紙を和訳した質問紙と、②子供の情緒・行動の発達には強さと困難さの質問紙を送付して調査した。健常者の1%以下の症状を異常とするとSASの25の質問項目のうち15の質問項目において、少なくとも週4-5回以上認められれば異常といえると考えられた。強さと困難さの質問紙では、年齢による情緒、行動、多動・不注意、仲間関係の発達が認められ、本調査の信頼性も担保されたと考えられた。
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