研究課題/領域番号 |
16K09141
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
石川 鎮清 自治医科大学, 医学部, 教授 (70306140)
|
研究分担者 |
中村 剛史 自治医科大学, 医学部, 講師 (20554554)
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60335510)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | コホート研究 / メタボリック・シンドローム / sdLDL / アポリポ蛋白 |
研究実績の概要 |
今回我々は、メタボリック・シンドローム(MetS)と脂質との関連、特にsmall dense LDLおよびアポリポ蛋白について検討した。平成22年から地域一般住民を対象にコホート研究を開始しており、昨年度までに5,941人をベースライン登録した。平成28年度新たに群馬県上野村で411人のベースライン登録を行い合計6,352人となった。ベースラインデータとしては、血圧、BMI、血糖、総コレステロール、喫煙、飲酒などを収集している。今回、対象者のうち測定準備のできた160人に対して、small dense (sd) LDL、アポリポ蛋白(apo)A-Ⅰ、apo A-Ⅱ、apo B、apo C-Ⅱ、apo C-Ⅲ、apo Eを測定し、MetSの有無で比較した。検定はt検定で行った。男性46人、女性114人で平均年齢は65.8歳±10.9歳であった。MetSの有無による値はそれぞれ、sd LDLでは40.6 mg/dl、33.4 mg/dl (p=0.07)、apo A-Ⅰでは132.3 mg/dl、137.1 mg/dl (p=0.60)、apo A-Ⅱでは30.8 mg/dl、29.2 mg/dl (p=0.39)、apo Bでは86.7 mg/dl、90.0 mg/dl (0.64)、apo C-Ⅱでは2.9 mg/dl、2.3 mg/dl (p=0.056)、apo C-Ⅲでは8.2 mg/dl、6.4 mg/dl (0.02)、apo Eでは3.7 mg/dl、3.6 mg/dl (p=0.73)であった。MetS有がMetS無に比べて有意にapo C-Ⅲが上昇しており、sdLDL、apo C-Ⅱは高い傾向にあった。それ以外は有意な関連はなかった。来年度もさらに測定するデータを増やして検討を重ねていく。また、脳卒中および心筋梗塞の発症についての追跡調査も継続していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
保存検体を用いてsdLDL、アポリポ蛋白を測定するのに、測定できる検体数が予定より少なかった。来年度以降さらに追加測定できるように準備を行う。
|
今後の研究の推進方策 |
保存検体を用いてsdLDL、アポリポ蛋白を測定するのに、測定できる検体数が予定より少なかった。来年度以降さらに追加測定できるように準備を行う。コホート研究として、脳卒中および心筋梗塞の発症を追跡調査しているが、引き続き追跡調査を継続する。可能であればベースラインデータ登録を増やすことを検討している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、新規登録、保存検体の再測定、追跡調査を計画していた。その中でも、最も費用がかかると見込んでいたのが保存検体から追加測定で、sdLDL、アポリポ蛋白を測定する計画であったが、測定の準備ができた検体が160人分と予定より少なかったことによる。
|
次年度使用額の使用計画 |
来年度は、本年度と同様に新規登録、保存検体の再測定、追跡調査を計画している。中でも、鳥取市での新規登録では、移動費用や事務局費などで今年度より費用がかかることが見込まれる。保存検体の追加測定では、本年度と同様に、測定の準備ができた検体でsdLDL、アポリポ蛋白を測定する。追跡調査では、秋田県から福岡県までの各地区への発症登録のための移動費、登録費がかかる予定である。
|