研究課題/領域番号 |
16K09141
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
石川 鎮清 自治医科大学, 医学部, 教授 (70306140)
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研究分担者 |
中村 剛史 自治医科大学, 医学部, 講師 (20554554)
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60335510)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | コホート研究 / メタボリック・シンドローム / sdLDL |
研究実績の概要 |
我々は平成22年から地域一般住民を対象にコホート研究を開始しており、平成29年度新たに鳥取市佐治地区で84人のベースライン登録を行い合計6,436人となった。ベースラインデータとしては、血圧、BMI、血糖、総コレステロール、喫煙、飲酒などを収集している。 その中で、これまでに合計で、5,866人(男性2,739人、女性3,127人)対して、small dense (sd) LDLを測定した。男性が女性より有意に高かった(p<0.001:男性37.4 mg/dl、女性33.6 mg/dl)。男女別にメタボリック・シンドローム(MetS)、高血圧、糖尿病の有無でsd LDLの値をt検定で比較した。男性ではsdLDLは、MetS(p<0.001:MetSあり44.8 mg/dl、MetSなし35.1 mg/dl)で有意に上昇していたが、高血圧、糖尿病では有意な関連はなかった(高血圧:p=0.35、糖尿病:p=0.68)。女性では、sdLDLは、MetS(p<0.001:MetSあり41.9 mg/dl、MetSなし32.9 mg/dl)、高血圧(p=0.008:高血圧あり35.3 mg/dl、高血圧なし32.0 mg/dl)で有意に上昇していたが、糖尿病では有意な関連はなかった(p=0.14)。 これまでの追跡調査の結果では、平均追跡期間4.4年で、脳卒中発症が53例(男性29例、女性24例)、心筋梗塞発症が14例(男性13例、女性1例)、突然死判定が6例(男性3例、女性3例)であった。まだ、追跡調査による発症登録は完全ではなく、発症症例数も少ないことから多変量での解析はできなかった。ベースラインデータの登録は終了したため、今後は、発症登録のための追跡調査をさらに進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
small dense (sd) LDLを測定については、過去に測定したものを含めてベースラインデータの登録者の91.1%に達している。追跡調査については、まだ十分ではないが、概ね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度でベースラインデータの登録は終了したため、平成30年度は、引き続き追跡調査を計画している。検体測定にかかる費用はなくなるが、移動費用や事務局費などで今年度より費用がかかることが見込まれる。追跡調査では、全国に秋田県から福岡県までの対象地域が13地域に分かれていることもあり各地区への発症登録のための移動費、登録費がかかる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度の新規登録が84人であったことから、検体測定費が計画より少なかったことと追跡調査を含めて参加地区への訪問調査が少なかったことによる。来年度は、平成30年度は追跡調査および事務局費が今年度より必要になると考えている。
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