研究実績の概要 |
我々は平成22年から地域一般住民を対象にコホート研究を開始しており、合計6,436人を対照としてベースラインデータを収集した。これまでに合計で、5,866人(男性2,739人、女性3,127人)対して、small dense (sd) LDLを測定した。男性が女性より有意に高かった(p<0.001:男性37.4 mg/dl、女性33.6 mg/dl)。MetS、CKD、CIの有無で男女別にsdLDL-Cの値をt検定で比較した。sdLDL-Cの値は、男性では、MetSありで、MetSなしに比べて有意に増加していた(p<0.001、MetSあり:44.8 mg/dL、MetSなし:35.1 mg/dL)が、CKDおよびCIではどちらもありの方がなしより有意に低下していた(CKD:p=0.001、CKDあり:34.8 mg/dL、CKDなし:37.9 mg/dL;CI:p=0.03、CIあり:34.5 mg/dL、CIなし:37.7 mg/dL)。女性では、MetSありで、MetSなしに比べて有意に増加していた(p<0.001、MetSあり:41.9 mg/dL、MetSなし:32.9 mg/dL)が、CKD、CIでは、いずれも有意差はなかった(CKD:p=0.08、CKDあり:32.5 mg/dL、CKDなし:33.8 mg/dL;CI:p=0.3、CIあり:33.9 mg/dL、CIなし:33.5 mg/dL))。今回、日本の非都市部の多地域における一般住民のsdLDLコレステロールと他の疾患との関連を明らかにすることができた。コホート研究としては発症との関連を検討することができなかったため今後の課題となる。
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