研究実績の概要 |
精神科救急入院料算定病棟(スーパー救急病棟)は,高額な診療報酬が得られる半面,基準を遵守するあまり不十分な治療や処遇検討のまま退院させざるを得ないケースや,退院後すぐに再燃し再入院となるケースも散見される。スーパー救急病棟は近隣以外の地域からの入院も多く、退院後,当院に通院する患者以外の患者の生活や治療状況を追跡する事は現時点では不可能である。本研究は,烏山病院および昭和大学横浜市北部病院スーパー救急病棟にて入院中に診療録より年齢,性別,診断,居住地,家族構成,生活状況,入院前治療状況,罹病期間,就学・就労状況,入院時形態(精神保健福祉法),社会資源(利用状況・入院中新規導入),在棟日数,罹病期間,入院回数,入院時・退院時処方を記録し、退院後1年間の再入院の有無,治療継続状況,生活状況(就労,就学,同居家族,通所先,ライフイベント),処方内容,内服状況,自覚される副作用,現在の治療満足度を取得し、退院後、それぞれの病院に通院する患者だけではなく、他病院に通院する患者に対しても電話にて治療状況,生活状況を追跡調査した。昭和大学附属烏山病院では58名、昭和大学横浜市北部病院では32名の患者から同意が得られ、退院後1,2,3,6,12カ月後に電話にて情報を聴取した。現在集計中であり、年度末に登録し電話調査が残っている患者の調査は継続し、集計を行う予定である。
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