研究課題/領域番号 |
16K09145
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
井上 和男 帝京大学, 医学部, 教授 (70275709)
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研究分担者 |
鹿嶋 小緒里 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 助教 (30581699)
松本 正俊 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 寄附講座准教授 (40348016)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 新医師臨床研修制度 / 医師調査 / 医師分布の推移 / 医師数 / 人口 / 全国市町村 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、分析に必要な指定統計データ(1994年・2004年・2014年の医師調査と2014年の医療施設調査)を厚生労働省に目的外使用で申請した。また、研究課題に関連した先行研究や書籍、Web資料の調査を行い、研究仮説とデザインの検討を行った。なお、新医師臨床研修制度は2004年から開始されているので、推移を見るためにその時点と前後10年の医師調査データを申請した。
データの取得に関しては、2017年2月に実データを得ることができた。このため、実際の分析は2017(平成29年度)に行うこととなった。それに先立ち、以下の作業を行った。1.医師不足の指標として、全市町村における医師数と医師数対人口比を用いる。このため、上記の3時点に最も近い人口調査結果(1995年、2005年、2015年)の市町村人口を、2015年の市町村合併を経た状況に合わせて1995年と2005年の処理をした。これによって、3時点での経時的分析が可能になった。2.3時点での医師調査ファイルから、市町村コードで集計し、各市町村での医師数を算出した。3.距離の指標として、市町村役場・区役所所在地から各都道府県庁までの道路距離をWebサイトを用いて算出した。
文献調査によれば、市町村医師数は少人口およびへき地でも増えてはいるものの、その程度が都市部に比べて劣っている状況は従来と同じである。これからは、新臨床医師研修制度の期待される効果である、プライマリ・ケアの診療能力向上による地域分布状況の改善ははっきりしないが明確に否定されてはいない。またその詳細、例えば年代や性別、その他の医師属性別での分析は本研究と相似しているものはなく、また地理的指標によりへき地度を評価した研究もなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医師調査データの目的外使用での取得が、申請に時間がかかったことが要因としてあげられる。なお現時点では取得できているので、これから分析は可能である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究デザインに基づいて、3時点(1994年、2004年および2014年)の医師調査データを最新の2015年の市町村合併状況に合わせて市町村コードを新しく付加した上で、分析に取り掛かる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
医師調査データの取得に時間を要したことにより、分析作業の開始が遅れたことが要因である。
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次年度使用額の使用計画 |
分析に必要なソフトウェア(統計解析)のアップデート購入と、必要によりデータ入力を補助してもらうための人件費に充てる予定である。
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